2 ページ14
川上side
念のため、オフィスに置いてある、合鍵を持ち、伊沢さんの自宅へと向かった。
あの日からオフィスで顔を合わせてはいるけど、ほとんど会話はしていない。
実は自分がクイズノックを辞めると話したのは、伊沢さんと河村さんだけ。本当は他のメンバーにも話そうと思ったけど、河村さんに止められていた。
多分河村さんは伊沢さんが受け止める時間を作らせたかったんだろう。
そんな事を考えながら、伊沢さんの家に着いた。
チャイムを鳴らしても、出てくる気配は無く、持っていた合鍵でドアを開けた。
『伊沢さん？』
俺の目に飛び込んで来たのは、床に倒れている伊沢さんの姿だった。
慌てて駆けより、抱き起こした。
『凄い熱』
何とかベットに寝かせ、体温計を探して熱を測る。
38.7度。
苦しげな呼吸を繰り返し、何かを呟いていた。
俺は河村さんに連絡を入れて、体温計と一緒に置いてあった冷えピタを貼った。
アパートのすぐそばに、自動販売機があった事を思い出し、スポーツドリンクを買いに外へと出た。
数分後に戻り、伊沢さんの顔を見ると目は閉じたまま涙を流していた。
『伊沢さん？』
思わず呟いてしまった俺の耳に、伊沢さんの声が飛び込んで来た。
「か、わかみ、、、いかな、、いで」
薄らと伊沢さんの目が開いた。
『伊沢さん』
「かわかみ、、、」
お互い無言の時が続いた。
それな長くもあり短くもあった。
「川上、やっぱり辞めるの？」
『はい。』
「そうなんだ。川上変わっちゃったな。」
『俺は、変わってないですよ。俺は俺のままです。色んな選択肢があると思いますけど、どの道を進んでも俺は俺ですから。』
「お前がいないとダメなんだよ。誰も川上の代わりなんて出来ないんだから。」
『当たり前です。みんなそれぞれ違うんですから。山本やこうちゃんに俺の代わりをさせるわけでもない。河村さんと3人で始めた時から、人数も格段に増えましたよ。その時その時で色々な方法を取ってきた。俺がいないだけで、ダメになる場所ではないはずです。』
「それは、、、」
俯いたまま、黙ってしまった伊沢さんだったけど、ドアが開く音で、顔を上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
linns＊(プロフ) - カラメルさん» こちらこそありがとうございます。 (2020年10月7日 22時) (
レス) id: 2db5c5c8cb (このIDを非表示/違反報告)
カラメル - 数々のヒントをありがとうございます。無事に解除する事が出来ました。多くのご迷惑をお掛けしてしまいすみませんでした。作者様の書くkwkmさんの話が大好きだったので、また読む事が出来て嬉しいです。体調に気をつけて頑張って下さい。本当にありがとうございました！ (2020年10月7日 21時) (レス) id: 72f3160d04 (このIDを非表示/違反報告)
linns＊(プロフ) - カラメルさん» はい。数字4桁です。公開した方の新作の中にある、プロローグの中にその日付があります。見てみてください。 (2020年10月7日 21時) (レス) id: 2db5c5c8cb (このIDを非表示/違反報告)
カラメル - 度々すみません。作品を公開して頂きありがとうございます。パスワードのヒントから解除しようとしたのですが、やはり出来ません。質問なんですけど、数字4桁だけですか？他に何も要りませんよね？ (2020年10月7日 21時) (レス) id: 72f3160d04 (このIDを非表示/違反報告)
linns＊(プロフ) - カラメルさん» いえいえ、私も少し難しいパスワードだったかもと思っていたので。公開は考えていた事なので気にしないで下さい。公開しましたら、是非見て下さいね。 (2020年10月6日 18時) (レス) id: 2db5c5c8cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：linn's | 作成日時：2020年6月26日 21時
