【Q K】裏顔《all》 ② (ページ30)

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『…殺し、屋…？』

酷く動揺している彼女。

そりゃそうだ、漫画の世界にしか居ないような役職が今目の前に存在しているんだから。

｢貴女の旦那さんを始末してくれ、との依頼を受けました｣

『……』

｢安楽死の件もそうですが、貴女や赤ちゃんの危険が心配なんです｣

｢この依頼、実行しても宜しいですか？｣

暴力を振っていたとしても元々は兄であり夫。

そんな人を始末していいか彼女本人に聞くのは気が引けたが、これが私達の仕事。

『…お願い、しますっ…』

ポロッと零れた1つの雫が彼女の手の甲に落ちた。

『このままだと私どころか赤ちゃんまで死んじゃうっ！生きてたとしても売られちゃうっ！絶対に嫌なんです！そんな事！』

止まらない涙を流しながら私の袖を強く掴んできた彼女。

絶対に守ってみせる。

｢分かりました。少し調べさせて貰ったんですが、ご家庭が複雑なんですよね？｣

『そうなんですっ…あの人が死んでも、親が、何してくるか分からない…』

｢ご両親も私達がなんとかします。安心してください｣

『お、願いします…助けてっ…』

こんな弱い彼女を更に地獄に陥れようとするなんて本当に最低。

今度はお前が地獄に落ちる番。