【Q K】裏顔《all》 ② (ページ22)

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wtnb side

病室って物凄い暇。

話し相手も居ないし、かと言って何か仕事が出来る訳でもない。

一般の患者として入院しているから秘密情報が沢山入っているパソコンはQKに置いてきたし、銃も無い。

あるのは右腕に付いてる骨伝導だけ。

｢ﾗﾙﾌ｣

早速骨伝導からﾌｪｲﾝの声が聞こえる。

｢奥さんの病室から看護師が出た。入るなら今かも｣

ターゲットも診察で忙しそうだから、と指示を促される。

彼女は妊婦さんだけど、元から身体が貧弱だから念の為入院しているらしい。

けどそろそろ産まれるらしく、早く奴を始末しないと彼女どころか子供まで手を出しかねない。

てか、なんで看護師はDVに気付かねぇんだよ。見て見ぬふりしてんのか？相手が院長だから？

そう考えながら病室の扉をノックして開ける。

『っ…！？誰…！？』

wtnb｢あ、初めまして。隣に入ってきました林って言います～｣

ごめん、林。名前借りた。

それよりも酷く怯えている彼女が気になって心配になる。

どれだけ奴に乱暴されてたんだ…

『来ちゃ…駄目ですよ…』

wtnb｢え？｣

『貴方までっ…酷い、目に…』

今にも泣きそうな彼女の隣に座り、安心しそうな声掛けをする。

彼女に今必要なのは、人の温もり、な気がする。

wtnb｢大丈夫ですよ。それより赤ちゃんがいるんですねぇ…！どのくらい経つんですか？｣

『…37週目です』

wtnb｢それって…だいぶ経ちますよね？｣

『そうですね…もうそろそろです』

ここら辺の知識は疎いんだよな…聞き方とか合ってたかな…？

けど彼女を見る限り少し嬉しそうな顔をしてお腹をさすってたから間違ってはないはず。

wtnb｢元気な子が産まれると良いですね｣

『……ありがとう、ございます』