【Q K】裏顔《all》 (ページ37)

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今日の宿、ビジネスホテルに着いてチェックインを済ます。

私はもちろん一人部屋で皆は2人部屋なんだけど、今回は乾が余りの一人部屋らしい。

今日は廊下で解散して各自部屋に入ったけど、どうしてもｵｰｳｪﾝの怖いくらい落ち着いていた声に違和感を感じて彼の部屋を訪ねた。

ini｢珍しい｣

｢気になる事があって、まぁ7割はこれだけど｣

そう言って昨日封印していたお酒とおつまみが入った袋を掲げる。

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｢乾杯っ｣

ini｢乾杯｣

ｶﾝｯと音を立てて彼はビール、私はチューハイを1口飲む。

ini｢で、何？気になる事って｣

単刀直入に聞いてくる乾。

こんなプライベートな空間で裏仕事の話を出すのも申し訳ないけど…

｢任務が終わった後、ｵｰｳｪﾝが骨伝導で知らせてくれたじゃん…？｣

ini｢待って｣

｢ん？｣

ini｢晃樹でいいよ｣

いきなり話を止めてそんな事を言い出す。

｢仕事の…話だからｺｰﾄﾞﾈｰﾑが良いかなって思ったんだけど…｣

ini｢2人っきりの時ぐらい晃樹って呼んでよ｣

酔っているのか。はたまた本心なのか。

普通はそうやって本人に聞くけど、私もお酒が入っていてそんな事気にしなくなっていた。

｢うん、晃樹が知らせてくれた時、今までにない声のトーンだったから｣

ini｢…｣