そのレンズで私を写して Ⅳ Masai (ページ8)

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「忙しくなりそうだなー……」

マサイくん家までの道を歩いて手元の紙を見つめる。

そこにはシフト表。

私の名前が水、木、金と続いて表記されている。

あれからエプロンを着て作業員の人と挨拶して、接客の仕方、お花の作業を色々教えて貰った。

奈々さんから「習得早い！」って褒められて嬉しかったの覚えてる。

「でも、楽しくなりそう……！」

シフト表から目を離して前を向いて早くマサイくん家に帰ろうとすると、

少し前の方に見覚えある後ろ姿を見つけた。

あ、あれシルクくんだ。

シルクくんに駆け寄ると私の気配に気付いたのか後ろを向いた。

シルク「お、Aじゃん」

「よっ」と手を振ってくれるシルクくん。

走ってシルクの元に行く。

シルク「バイトどうだった？」

「優しい人ばっかり！接客して人見知り克服しようと思って、」

シルク「お、いいじゃん」

「頑張れ」といつも通りニコッと笑うシルクくん。

この笑顔に私は何回助けられたか……

シルク「マサイ、迎えに来てないんだな」

「あ、私が歩いて帰るって言ったの」

シルク「A危なっかしいから迎えに来なきゃ駄目だろーw」

「ま、俺がいたからいいけど」と付け足す。

私、そんなに危なっかしいかな……？

そんなこんなで自分たちのマンションが見えてきた時、

シルク「今日の夜も動画撮るけど、来る？」

とシルクくんが言った。

うーん、行きたいけど……

「今日は休みたいかもw」

シルク「だよなw ごめんごめん」

マンションに着いてエレベーターのボタンを押す。

するとシルクくんは「帰り歩いて帰ったから」と言って階段で先に行ってしまった。

マンションのエレベーター前でシルクくんとお別れして着いたエレベーターに乗った。