そのレンズで私を写して Ⅳ Masai (ページ2)

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「何撮るー？」

マサイ「とりあえず、そこら辺歩くか」

初めて会ったときと同じように首にカメラを掛けて隣を歩くマサイくん。

そんなマサイくんの右手には私の左手が握られていた。

まさかこうなるとは、初めてマサイくんと会った私からは考えられない。

マサイ「そういえば、Aと初めて会ったときもこんな感じだったわ」

「覚えてくれてたの？」

マサイ「当たり前だろw」

「忘れてると思ってた」

「それはないw」と笑うマサイくん。

昔はこの笑顔が羨ましいとか思ってたんだっけ。

マサイ「あ、A」

マサイくんが呼んだかと思うとグイッと手を引かれる。

連れてかれたのは綺麗な花々の前。

そこでマサイくんはカメラを構える。

その姿がとてもかっこよくて、携帯のカメラでマサイくんを撮った。

マサイ「何撮ってんの」

「気分」

かっこ良かったから、だなんて言ったら2人とも顔真っ赤にして喋らなくなるから散歩どころじゃなくなる。

するとマサイくんはすぐ私にカメラを向けて1枚撮った。

「何撮ってんの」

マサイ「気分」

そんな会話を交わしてお互いに笑う。

「ちょっとさっき撮ったの見せて」

見せてもらうとブレブレの私の姿。

そりゃ、あんなすぐ撮ったらこうなるよね。

残像が見えてるw

「今度は綺麗に撮って」

マサイ「そりゃ、もちろん」

「約束ー！」

そう言ってマサイくんと小指を絡めた。