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いつもよりゆっくり支度ができる休日。
昨夜予め用意していたお気に入りのワンピースに身を包み、季節に似合ったメイクを施す。
普段なら見ることのないニュース番組を垂れ流し、そろそろ家を出ようか考えていると玄関のチャイムがなった。
慌てて確認すればドアモニターに映っていたのはドラケンくんで。


「おはよ!どうしたの?」


待ち合わせに遅刻したのかと時計を見ても予定の時間よりまだ少し余裕があった。


「マイキーが起きねえから迎えに行くぞ」


ほら、と愛車らしいバイクの後ろをたたく。
バッグを落とさないようにしっかり掛け、「お邪魔しまーす」とスカートが邪魔にならないよう乗り込む。自分は被らないくせに、私にはヘルメットを貸してくれる。


「しっかり掴まってろよ」


ブォンと音がしたかと思えば、すごい勢いで前進していくバイク。普段からバイクなんて縁遠い乗り物なのにいきなりぶっ飛ばされたらやばい。



「ドラケンくん!!は、早い!!!」


「口閉じてろ、舌噛むぞー」


心の中で笑ってんじゃねー!なんて思いつつも、舌噛みたくないので大人しく言うことを聞く。落ちたくないから、これくらいは許してくれるよねなんて思いつつ年の割にしっかりした体つきのお腹に腕を回した。



「そういえば、バイクの免許なんて持ってたの?」


後ろからじゃ何も見えなかったけど、バツが悪そうに何も言わないドラケンくん。
警察には見つかりませんように。そう願いながらお腹に回していた腕の力を込めた。





「着いたぞー」


半ば放心状態になりながら、やっと着いたらしいマイキーくんのお家。
振り落とされないように必死だったから周りの景色なんて見てなかったけど、目の前に広がる立派なお家を見て変な声が出た。


ボーっとしてたからドラケンくんが先に行ってるのなんて気付かなかった。
インターホンを押し、可愛らしい声で「どうぞー!」と案内されると外見からでも分かっていたが立派なお家が建っている。




「おい、起きろよ」



布団にくるまって寝ているマイキーくんを叩き起し、慣れた手つきで髪の毛を結っていく。そうしてふと私の顔を見ると、寝惚けたゆるゆるの顔で




「Aちゃん、今日も可愛いね」



顔に熱が集中した気がする。マイキーくんは気にした様子もなく、ニコニコ笑っているので私はただ顔を赤くしながらありがとうと言うしか無かった。







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作者名:レイジー | 作成日時:2021年5月1日 23時

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