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私に縋りつきながら泣くAの背中を撫でる
子供みたいに何度も私を呼んで、苦しいくらいに抱きしめて涙を流す。彼女の中で私の存在ってやつは、自分が思っている以上に大きいみたいだ。私の為泣いて、私の為に笑って、私の為に…なんて自意識過剰すぎたか。
取り敢えずAから詳しい話を聞かなきゃ
「…理子ちゃんは、」
「……」
「そっか、」
「ごめん、私っ…」
「Aが謝ることじゃない、私の力不足だったんだ」
「ッそんなこと…!」
「……行こうか」
Aの言葉を遮るように微笑んで手を取る
私の力不足で理子ちゃんは死んだ
あの状況で動けるのは私しか居なかった。悟が死んだと聞かされて放心状態になったAも、帰ろうと決め私の手を取ろうとしてくれた理子ちゃんも、私が守らなきゃいけなかったんだ。そうしたら今頃きっと、笑えてた。
Aを泣かせる事も、こんな思いをする事も
「_______」
「……ッ」
「この呪霊、あの男の…」
きっと無かった
「もしかして、悟がッ」
「…あぁ」
向かった先の扉を開けば聞こえる拍手の音
その中心には、布に包まれた理子ちゃんを抱えた悟の姿。遅かったな、と言った声も顔も全部が悟なのに、その周りに纏われたオーラが別人のようだっだ。言葉を交わしても、その違和感でなんだか言葉が詰まりそうになって。
握られた手を軽く引っ張られハッとする
「帰ろ?すぐる、さとる」
「…そうだね、戻ろう」
「傑、A」
悟、嘘でもそんな事
言ってはいけない
「コイツら、殺すか?」
私達は、呪術師なんだから
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夜風@常に眠い(プロフ) - 夕日の子さん» こちらの作品にもコメントありがとうございます!更新激遅ですが是非見守ってやってください…! (2021年5月26日 6時) (レス) id: 4fe8a34e26 (このIDを非表示/違反報告)
夕日の子(プロフ) - おっとー?夢主ちゃん怖いよー?ほのぼのだと思ってたんだけどー…想定外だけど気になるので行く末を見守ります! (2021年5月26日 0時) (レス) id: e4e5f83104 (このIDを非表示/違反報告)
夜風@常に眠い(プロフ) - なのさん» コメントありがとうございます!のんびりですがしっかりと完結させますのでそれまで気長に読んでいただければと思います… (2021年4月27日 22時) (レス) id: 4fe8a34e26 (このIDを非表示/違反報告)
なの - これからも貫いてほしいと思わせる潔さがすき。 (2021年4月27日 21時) (レス) id: 9826f303e5 (このIDを非表示/違反報告)
なの - 清々しいまですぐる至上主義。 (2021年4月27日 21時) (レス) id: 9826f303e5 (このIDを非表示/違反報告)
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