なるほど、これが本当の浮気ってやつか【夏油傑】

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例えばそれが初めての浮気だったとしたら

私は感情的に問い詰め、言い訳を聞き、許してしまうのだろう。大好きな彼だから、彼が言うなら信じようって、"もうしない"の言葉を簡単に飲み込んで、期待して

愛してるの一言で、満たされていた




でも4、5回目の浮気だったとしたら？

私は呆れて物も言えず、代わり映えのない言い訳を聞き、"もうしないでね"とお決まりの文句を言って、"もちろんさ"なんて返事を聞いて、はいお終い。

信じるのも、期待するのも無くなった









嘘の愛で、満たされているフリをした









「真実の愛とか、あるんかなぁ…」


「…え、先生って真実の愛とか信じるタイプ？」


「マジ？真実の愛なんてあるわけないわよ！期待するだけ無駄、損するだけ」


「人によるんじゃないか、愛の形って」


「あはは…信じてるわけじゃないよ、ただ疑問に思っただけ笑」









彼は本当に、私を愛していたのかな

どれが本当で、どれが偽りかなんて分からない
分かりたくもない、愛情の嘘と誠なんて

分かったところで、きっと何も変わらないだろうけど









「…愛し合うって、複雑だね」


「大人の事情が垣間見えるわね…」


「ははっ、野薔薇ったら。大人の恋愛なんて、こーゆーもんだよ？」


「んん〜？…取り敢えず先生！飯行こうよ、飯！」


「美味しい物でも食べれば、気分も晴れるかもしれませんね」


「またまた〜、奢ってもらいたいだけでしょ？しょうがないなぁ…」









そしてふと思うんだ

私って、本当に彼を愛していたのだろうかってね









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