賞味期限切れの子供は戦闘用に【約束のネバーランド】

3 ページ9

*…


両手足の自由が聞かず、暗闇の中をただひたすらに揺られ続ける。


今考えれば全く意味が分からない。


エマは人身売買と言ってた割りには殺される気配がない。


殺されない…または敢えて殺さない訳がある。


(……まずそれを探る必要がありそう)


何をしたら生きれて、何をしたら収穫されるのか。


殺されなくても僮として働かされる可能性もある。


もしかしたらコニー達も生きてる…？


その可能性を考えたが、途端に考えるのを止める。

僮なんて…、そんなの死んだ方がマシじゃないか。


首を思いっきり横に振り、考えを遮る。


暇だ…、そう思っているとタイミング良く車のエンジン音が止まった。


多分、目的地に着いたのだろう。



「ちょっと待ってろ」



ハウスで聞いたあの声がそう言った。


その瞬間にまた体が宙に浮いて、小さく揺れている。



「初めまして、No.72194…。
いえ、Aちゃん？」

「だ、誰…？」



下ろされた時には聞いたことのない声が聞こえてあとずさった。


さっきの鬼は私に危害を加えないことは何となく分かった。


すると顔に暖かい何かが当たり、顔を背けて抵抗する。


(何…？指？人の？)


誰も信じられない。大好きなママが敵だったことにトラウマを覚えているのかもしれない。


大丈夫よ、と言うそいつに縛られた足で抵抗する。


そうすれば、溜息を吐いて部屋を出て行くのが音で分かった。


眼前は暗闇。脳裏に浮かぶのは大好きな家族。

ノーマン、レイ、エマ…！！会いたい…！


.

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す