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.*…



「良い良い良い」

「良い」

「良い良い良い」

「良い!!」

「ワァッハッハハハハッ」

「ドキドキしたぞ!!何百年ぶりだ!!?」



建物の破損音が嫌々しく響いた。


何が起きたか分からない。


だがレウウィスが興奮している。逃げた方がいい。それだけが理解できた。


手を前につき出して手探りに恐る恐る足を踏み出していると、何かが指先に当たった。


暖かい…、指?誰の?



「逃げるぞA!!」

「レ、イ?」



その瞬間に体がふわりと浮いて、耳元で荒い息が定期的に聞こえてきた。


生きてて良かった…、と弱々しく吐き出すレイに腕を首に回せば、レイの抱き締める力が強くなった。




…………………………………




周りで言い争う人達の声だけが耳に届く。

見るまでもなく焦っていた。


怖くて仕方ないのだろう。皆が自分が、環境が怖いのだ。


肩に回された手の温もりに、私は不安を感じることは少なかった。



「態勢を立て直して…、場所を変えてもう一度奴の急所を狙い直そう」

「ムダだ。さっき俺がやった」

「けど、みんなでやれば……」

「できると思う?」

「できると…、思うか?」



私とオジサンは一緒になって彼を否定する。


いや……、できる気がしない……!


この場にいる人、一人一人が解っている。


そう、奴は殺せない。やはり化物だ。


飛び交う意見はまるでどれも食い違っていて、皆が賛同するものは無さそうだった。


レイはただ黙って私の隣で座っている。


その中でも一際目立っていたのはエマの話す意見。


それを聞いて私は無理だと直感的に思った。


今まで沢山の人を殺した…、地獄を見てきた私には解る。


皆が生き残るなんて無理。


誰か犠牲がいないと成り立たない。


生き残るには殺すしかない。


そんな[夢物語]は無謀だ。



「勝とう!勝ってこの密猟場を出よう、全員で!!」

『今度こそ』


.

3→←再開



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カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時

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