2 ページ43
.*…
「良い良い良い」
「良い」
「良い良い良い」
「良い!!」
「ワァッハッハハハハッ」
「ドキドキしたぞ!!何百年ぶりだ!!?」
建物の破損音が嫌々しく響いた。
何が起きたか分からない。
だがレウウィスが興奮している。逃げた方がいい。それだけが理解できた。
手を前につき出して手探りに恐る恐る足を踏み出していると、何かが指先に当たった。
暖かい…、指?誰の?
「逃げるぞA!!」
「レ、イ?」
その瞬間に体がふわりと浮いて、耳元で荒い息が定期的に聞こえてきた。
生きてて良かった…、と弱々しく吐き出すレイに腕を首に回せば、レイの抱き締める力が強くなった。
…………………………………
周りで言い争う人達の声だけが耳に届く。
見るまでもなく焦っていた。
怖くて仕方ないのだろう。皆が自分が、環境が怖いのだ。
肩に回された手の温もりに、私は不安を感じることは少なかった。
「態勢を立て直して…、場所を変えてもう一度奴の急所を狙い直そう」
「ムダだ。さっき俺がやった」
「けど、みんなでやれば……」
「できると思う?」
「できると…、思うか?」
私とオジサンは一緒になって彼を否定する。
いや……、できる気がしない……!
この場にいる人、一人一人が解っている。
そう、奴は殺せない。やはり化物だ。
飛び交う意見はまるでどれも食い違っていて、皆が賛同するものは無さそうだった。
レイはただ黙って私の隣で座っている。
その中でも一際目立っていたのはエマの話す意見。
それを聞いて私は無理だと直感的に思った。
今まで沢山の人を殺した…、地獄を見てきた私には解る。
皆が生き残るなんて無理。
誰か犠牲がいないと成り立たない。
生き残るには殺すしかない。
そんな[夢物語]は無謀だ。
「勝とう!勝ってこの密猟場を出よう、全員で!!」
『今度こそ』
.
457人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時