死守 ページ38
.*…
「{だからこそ大公、今一度ゲームをしよう}」
「{あの日のように}」
エマはルーカスと言う男性、多分この反乱の首謀者である人の伝言を告げた。
レウウィスも最初こそ不思議そうにしていたが、すぐに思い出したのか声をあげて笑った。
着いて行けない私に説明するように二人は “ゲーム” を話した。
「同じ “ゲーム” つまり15分のフェアな狩り。最初の10分、鬼は人間を攻撃しない」
「あの夜私が彼に持ちかけた戯れ。それを今、君が私に持ちかけるのか」
「よかろう」
何か作戦が向こうにはある。
レウウィスもそれに乗っかっている。
よし…、順調みたい
「だが必要ない」
その言葉に頭がフリーズして、顎においてあった筈の手は空を嗟迷っていた。
「君の目的は時間稼ぎ。違うかね?
あの夜、ルーカスがそう使ったように」
「ゲームにのったところできっと君は私へロクに攻撃も仕掛けて来ない。弾丸浪費だからだ」
「君は君一人で私を殺せるとは考えていない。ルーカスもだ」
読まれている。全てが解ったにも関わらず余裕な態度。
レウウィスの性格から考えて[楽勝]より[多くの虎を狩りたい]だろう。
つまり____
「よかろう。待つとしよう。“15分”?いや “10分” か?待とう。待った方が楽しそうだ」
「ただし_____」
「待つからには来てもらわねば困る。私は今とても昂っている」
「もし10分後、村に君の仲間が誰も現れなかったら______」
「その時は君達二人で存分に楽しませてくれよ」
「エマ」
「A」
怪しく笑うレウウィスにこれまでにない恐怖を覚えた。
背筋が凍るなんてものじゃない。
だが…、レウウィスが出した条件は呑めそうだった。
もしエマの仲間が来なくても私達が…、
いや、私がレウウィスを引き付けて時間を稼ぐ。
あわよくば、目を狙って殺す。
そう、作戦はそれで行こう。
「A…」
エマは苦しそうな顔で私を見つめていた。
とても複雑な表情で、私は何とも返す事が出来なかった。
「久々の再開…だったかな。待ってる間私を殺す方法、最期の別れ、再開の喜び、何でもいい。自由に話すといい」
軽く拍手を送ってそう言ったが、お祝いしているのではない。
その冷たい態度を見れば、私の最期の行動を観賞したいだけなのがよく解る。
にも関わらずエマは私を抱き締めた。
頬に伝う涙を、私は拭ってはやれなかった。
この汚れた手で家族に触れたくない___
エマの背中に回されそうな腕は、力無く空を切った。
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カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時