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.*…
noman sided
不気味な雰囲気を漂わせる大きな門に入り、すぐ横の部屋の前で止まる。
不安と恐怖で顔が歪むが、皆を…、Aを思い出せば安心出来た。
ああ…、いよいよだ…。
「この部屋で少し待っていて頂戴」
「え”」
ママがそう言って開けた扉の向こうには、
人
がいた。
「こんばんは。初めましてノーマン」
鬼じゃなかったことに心底驚愕した僕は、その人の挨拶に返答することが出来なかった。
ただその人を見上げて呆然とする。
人間!?大人の…、男の人…?
シスターの話が本当なら男として産まれた食用児は生きられないはずだ。
シスターの嘘?いや、考えられない…。
農園に来ているあたり、脱獄者とも考えられない。
僕も……、この人と同じ未来を歩むのか?
(生きられる?)
そんな事が頭をよぎった。
「もういらしていたのですか?」
「すみません。少し早く着きまして」
するとママはその人に指先を向けて、僕に向かって言った。
「ノーマン。こちら、ラートリーさん。
あなたの新しいお父さんよ」
え?里親?
口が閉じられず、眉を寄せてママを見上げていれば、男の人は軽く笑った。
「[お父さん]と言うには歳が近すぎるかな。ピーターでいいよ」
「私はピーター・ラートリー。君さえ良ければ、君に私の研究を手伝ってほしいんだ」
どういうことだ…。
出荷じゃないのか?
研究?
ママは僕と同じ目線まで屈んで、優しい声と微笑みで僕に喋りかける。
「よかったわね、ノーマン。いっぱいお勉強ができるわよ」
いや、違う。
途中で見慣れた冷酷な瞳で僕を見下ろしていて確信が出来た。
これも出荷。この男も捕食者側。
「大好きよ、愛しい子。新しい檻で幸せにね」
そう言うとママは最期に、と言うように僕を優しく抱き締めた。
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カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時