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.*…
時に猟犬として猟庭に出向くことはあった。
けど断れば行かなくて済んだし、殆どは行かなかった。行くとしても命令の時だけ。
主の命令は絶対。
そう義務づけられた。
涙が染み込んだ枕を掴み、床へ投げつければまた毛布を頭まで被る。
その繰返しを見ているバイヨンの家来達は心配そうに部屋の前にいるのだった。
[賞味期限切れ]
その言葉が私の頭を駆け巡る。
一度だけ思いきってノウスに聞いた事がある。
その時は何て返されたんだっけ____
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『俺達がお前を食べないから言われたんだろ』
『で、誰がそんなこと言ってたんだ?』
腑に落ちない答えで半信半疑だったが、[賞味期限切れ]はあの日以来聞こえてこない単語になって口封じされたんだと分かった。
時計を見ればもう食卓に向かわないといけない時間。
これも命令。
何が好き人肉を食べる鬼を見学しないといけないんだ。
嫌々重い足を引きずり、扉を開けようとした時。
偶然、鬼達の会話が聞こえて来た。盗み聞きする気はなかった。
「バイヨン卿。あなたも意地が悪い。まさかGFからの脱走者を一匹捕らえておいでだったとは」
扉越しにいる私にも空気が静まったのが分かった。
その言葉に息を呑んだ。
GF…?エマ達?まさか捕まったの?
すぐさまノウマも確認を取った。
私の聞きたかったその答えは___
「ええ、事実ですよ」
「………う、そ…」
口元を両手で抑えて、その場に膝をついて座った。
扉前に待機しているバイヨンの家来達は異変に気付き、近寄って来る。
嬉しい、会えるかもしれない…!!
助けなきゃ、殺される…!!
複雑な感情が入り混じりして混乱してしまう。
「詳しく!!等級は?」
「捕らえたメスは “特上” です。他一匹も恐らく “特上”。もう一匹はどうやら成人のようです」
特上…?多分、フルスコアか最年長。
GFでフルスコア及び最年長だったのは私と______
エマだけ。
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カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時