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.*…



「、っ……はぁ、…はぁ」



森を駆ける私達。


知ってる、この森。数回来たことのある “猟庭” だ。


けど森を抜けた先は知らなかった。

行ったことが無かった。身を隠すように殺してきたから。


知られたくなかった。人が人を殺している恥。


ここはどこもかしこもカラフルで、まるで絵本の中みたいだった。

夢の国、ネバーランドを造りあげていた。



「オリバー!!」

「お前…、無事だったのか!」



再会の喜びを分かち合う二人を見据え、目を細める。


羨ましい…、そう思ったのも少しある。


隣にある立て掛けを見れば、猟庭の説明が。


音楽…、最初の文字を読んだ瞬間に聞き覚えのある騒音が鳴った。


それには喜んでいた二人の顔も険しくなっていく。



「怪物が来る。取り合えず逃げよう」



オリバーと名乗る男の子がそう言って、私達二人は首を縦に振った。




…………………………………




「っ…、……はぁ、…ここまで来れば大丈夫だろ」



二人で話し合っているのを他所に私は木を登って周りを警戒していた。


危なかった…、危うくバイヨンに見つかりかけた。


心臓辺りに手を置くと、変わらず脈が動くのが速かった。


逃げられる…?本気で逃げるならこの猟庭を出た方がいい。


事情を話そうと木から飛び降りようとした時だった。


オリバーの体と地面に血が飛び散った。


咄嗟に口元を抑えて気配を消す。


オリバーは急な出来事に脳が、対応できていなかった。



「また君かね」



“また”…。つまり二人は面識がある。


大丈夫。オリバーは奴の危険さを知っている。


オリバーは静かに私を見上げた。


私はそれに頷いて[逃げろ]と口パクで伝える。


私の獲物……、だが今ではない。


レウウィスならそう思う。


だからレウウィス…、貴方はオリバーを追わない。


追うとするならば………、



















オリバーが逃げるとレウウィスは顔を上げ木の上を見た。


怪しく光るその目が私を捉えていた。



「A、君も逃げるがいい」

「…、は」



口角を上げたレウウィスはそれだけ言って去って行った。


あいつは狩り以外に興味がないはず。


ここで逃がして、ノウスとノウマがいないところで私を狩りたいのか…。


身の保証は鬼がいる事で。


なんとも残酷で反吐が出る事実。


でも私は賞味期限切れ


そのままの言葉通りなら食べられない食用生物。


それでも狩りたい、食べるつもりではない?


それとも他の意味がある?



「くそっ……、」



私はわざとらしく頭を掻いた。


.

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カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時

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