死の恐怖 ページ20
.*…
音楽のような騒音が鳴り響く。
驚いて咄嗟に耳を塞ぐが音楽が途絶えることはなかった。
タバコのような煙を吸うバイヨンは怪しい瞳をギョロリと動かし鬼達に尋ねた。
「さて皆さん。今日は何狙いで?」
その言葉に鬼達は続々と続いて目標を並べた。
だいたいの事は予想できた。
恐ろしい気持ちに蓋を閉め、訳が分からないという風を装う。
ノウマとノウスは私に自分達と同じような武器を持たせ、手を引いて歩いて行く。
そこで見たのは想像を絶するものだった。
見せつけられように飛び交う悲鳴や嗚咽。
血が私の体を紅く染めていった。
「大丈夫よ。ここのネズミは攻撃してこない」
同じ人間を散々見殺しにした辺りで発せられた言葉。
遠回しに “殺れ” と言われた気がした。
自分より遥かに大きな槍を握りしめ、かちかちと奥歯を鳴らす。
殺れ…、殺れなければ飽きられる…、
捨てられたら全てが終わる…、
演じろ…、生き延びろ…、
人を踏み台にしてでも…!!
「う…、うわぁ”あ”ぁ”あ”ぁぁ!!!」
「ひっ…、や、やめ………!!」
ビチャ
殆ど衝動だった。その時、その瞬間は覚えてない。
ただ残る感触。刺し殺す感覚。それだけが体に刻み込まれていたのだ。
全身に付着した血はもう既に誰のものか分からない。
沢山の人を殺した。
それが私を何よりも苦しめた。
.
それからだった。私が変わったのは。
次々に人を殺しては重なっていく罪悪感とプレッシャー。
だが人殺しを躊躇うことは無くなった。
もし、これが、この選択が間違っていたら…
最善じゃない道の上にいるなら…
そう考えると全てが間違いなのではと、恐ろしくなって何日も寝込んでいた。
(エマ…、ノーマン…、レイ…)
自分の選択で沢山の人間が死んで行く。
また今日も……、誰かが死んで行く。
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カルビ(プロフ) - 薙(nagi)さん» あ、え…!!?生きてくださいー!!(笑)私もレウウィス大公強いし考えが結構おかしいところも好きです!かなりサイコパスなとことか…。読んでくださりありがとうございます!! (2019年4月14日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - リウウィス卿が推しの私にこれはあかん………駄目だ…心臓がもた…な………(絶命 (2019年4月14日 22時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - ろろさん» すみません!分かりやすく出来るよう努力します!!理解できてよかったです!私も語彙力高めないとですね…(泣)ありがとうございますぬ(笑)頑張ります (2019年4月6日 23時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ろろ(プロフ) - 馬鹿な私は語彙力もなければ、理解力もないので難しかったです←失礼もう一回読み直したら分かりました。おもしろいですぬ←ぬってなんやねんがんばってね (2019年4月6日 22時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - スターフォロワーさん» そう言ってもらえて、とっても嬉しいです!!はい、ありがとうございます!頑張ります!! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルビ | 作成日時:2019年4月3日 19時