賞味期限切れの子供は戦闘用に【約束のネバーランド】

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noman side


エマが松葉杖を捨てて飛び付いて来た。


驚いて茫然としてエマのうなじを見つめると耳元で呟かれた。



「ママの目を引きつける。お願い逃げて」



その言葉に冷や汗をかく。


マサかと思い頭を僅かにずらせば、耳元に当たる箱のような感覚。


勢いよく足を上げたエマにぞっとして血の気が引き、慌てて身を捩った。


すぐさま起き上がりエマを睨んだ。



「______っ！！」

「馬鹿！無鉄砲にもほどがあるぞ エマ！」



『ママを引きつける』？


自分の骨折を床に叩きつけてか！！


おまけにあの装置。


あと一瞬でも反応が遅れたら使われていた…！

僕を逃がすために！！


なんてことを…！！



「今君がすべきことはこれじゃない！！」



脱獄だ！！



「うるさい！いやだ行かせない！！」



ママがこっちを睨んでいる。


皆も不思議そうな、心配そうな視線を僕達に向けていた。


自分の顔が歪んだのが分かる。

おまけに嫌な汗がだらだらと頬や背を伝う。



「どうして解ってくれないんだよ……。僕はそんなこと、これっぽっちも望んでないのに」



足が上手く治らなくなったらどうする？

逃げられないだろ。


装置だって僕がせっかく使わなかったのに…！


僕だって好きで出荷されるわけじゃないんだよ。


でも皆を守りたい。これしかないんだ。



「ただ笑って見送ってほしい……、僕の気持ちを汲んで」

「イヤ。その気持ちだけぱ尊重できない」

「[本当は嫌]なら尚更だ！」



脳裏であのことがちらつく。何度[生きたい]と震えたことか。


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