ななじゅうなな ページ32
「大丈夫か！？」
浦田さんに背中を支えられ立ち上がる。
少しふらついたけれど、心は折れていなかった。
「.....浦田さん、なんで、」
「お前を助けたかったから」
そう言って笑うと、浦田さんは少女に向き合った。
「お願いだ、もうやめてくれ！」
『じゃあおにいちゃんが遊んでよ...なんで、あたしのこと知らんぷりしたの...寂しいよ...悲しいよ.......たす、け、て』
少女の声色が変わった。
黒いものは消えていき、そこに佇むのはただの女の子。
大粒の涙を流し、寂しいと訴え続けている。
ふと、彼女に手向けられた花に目をやった。
いつからだったのだろう。
綺麗に咲いているそれは、造花だった。
あぁ、彼女は、ずっと1人だったのか。
彼女を弔う人もいなくなってしまったのか。
「浦田さん、危ないです」
「大丈夫、大丈夫だから」
そこにいて。
と強く手を握られた。
「...俺は、君と一緒には遊べない。仲間を置いていけない」
浦田さんの言葉に女の子の顔が歪む。
「だけど、俺は絶対に君を忘れない！ずっとずっと...いつか俺がそっちに行く時まで絶対に！」
だから、もう、大丈夫だよ。
浦田さんの声はとても優しかった。
『本当に忘れない？ちゃんと会いに来てくれる？』
「うん！だから君の名前を教えて」
『.....ハルカ』
「ハルカ、ちゃん。絶対に忘れない。友達だから」
その言葉にハルカちゃんは泣きながら笑った。
「私も、忘れない。ハルカちゃんのこと絶対に」
「俺もや」
「センラもです」
「僕も！」
「俺も」
「だから、おいで？」
浦田さんが両手を広げると、彼女は浦田さんの胸に飛び込んだ。
『ありがとう、おにいちゃん』
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まろまゆこ(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます！悩みに悩んだラストだったのでそう言って頂けると嬉しいです(*´ｪ`*) (2019年4月14日 8時) (
レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 素敵な終わり方で感動しました。ありがとうございます。 (2019年4月14日 8時) (レス) id: 4ed3c725ff (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - じゅうさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月14日 8時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
じゅう - コメント失礼します。とても面白く、一気読みしました。番外編待ってます!これからも頑張ってください(≧∀≦) (2019年4月14日 4時) (レス) id: 09d3df211f (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - ペンパルさん» ありがとうございます！番外編を予定しておりますので、よろしかったらそちらもよろしくお願い致します(*´ｪ`*) (2019年4月13日 20時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まろまゆこ | 作成日時：2019年4月5日 7時
