ななじゅう ページ25
急いで部屋に戻り本棚を漁った。
今ある文献を全て頭に入れろ。
知識を、守る術を、助ける力を。
きっと浦田さんは私を拒絶するだろう。
それでも構わない。
怒鳴られようが、殴られようが私は彼を助けたい。
その思いだけが私を動かしていた。
＊
次の日、私は朝早くあの交差点へ向かった。
まだ人通りも車も少ないそこは、静かだった。
あの少女はまだ姿を見せない。
けれど彼女のために手向けられた花束が確かにそこにいるのだと教えていた。
きっと彼女は待っているのだ、浦田さんを。
「...A」
「...おはよう、さかたん、センラくん」
昨日の夜私は彼らに連絡を取った。
浦田さんを助けたいから、手伝ってくれないかと。
危険を伴う可能性もあるから、断ってもいいと。
彼らには断る権利がある。
けれど答えは決まっていたようで。
「来てくれてありがとう」
「ううん。こっちこそありがとう」
さかたんはあまり寝られなかったのか、目の下に薄らと隈が出来ていた。
「あれ？珍しい。さかたんが先に居る」
「...まふくん、そらる先輩！」
「おはよ、A」
「おはよう、Aちゃん」
2人にも事情を説明したところ二つ返事で了承してくれた。
「ふふ、やっと頼ってくれたね」
そう言ってまふくんは私の両手をぎゅっと握った。
「僕達は必ずAちゃんを守るよ。だから、Aちゃんはうらたさんを助けることに集中してね」
「...うん！」
「Aちゃん、無理したらあかんよ」
「うん、気を付ける。また倒れないようにしなきゃね」
「その時はまたセンラが担いであげますよ」
「A、絶対大丈夫だから。お前ならできる」
「え？」
「ずっと不安そうな顔してる」
「あ...」
「俺らがついてるから」
「.....A」
「うん」
「...お願いや.....あの人を、うらさんを助けたって...！」
「もちろん！」
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まろまゆこ(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます！悩みに悩んだラストだったのでそう言って頂けると嬉しいです(*´ｪ`*) (2019年4月14日 8時) (
レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 素敵な終わり方で感動しました。ありがとうございます。 (2019年4月14日 8時) (レス) id: 4ed3c725ff (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - じゅうさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月14日 8時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
じゅう - コメント失礼します。とても面白く、一気読みしました。番外編待ってます!これからも頑張ってください(≧∀≦) (2019年4月14日 4時) (レス) id: 09d3df211f (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - ペンパルさん» ありがとうございます！番外編を予定しておりますので、よろしかったらそちらもよろしくお願い致します(*´ｪ`*) (2019年4月13日 20時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まろまゆこ | 作成日時：2019年4月5日 7時
