ごじゅうはち ページ13
「どうしよ」
私の手にあるのは三者面談のおしらせ。
残念ながら私の実家は県外の山の奥の方にあって、ここに来るまでものすごく時間がかかる。
さらに言えば両親とも除霊師としての仕事があるため来られないのだ。
母に連絡したら「申し訳ないけど、一色さんにお願いして」とのこと。
一応日程を確認しなければ、と食堂へ向かうと日も暮れる前から酒を煽る一色さんの姿があった。
「一色さん」
「なぁに?Aちゃん」
細い目をさらに細めて笑う彼は、酒に酔ってるなんて微塵も感じさせない。
「これ...」
とプリントを渡すと「あー、はいはい。もうこんな時期か」とうなづいた。
「アタシがちゃんとお供しますよ」
「...お酒飲んで来ないでくださいね」
*
三者面談当日。
校門前で一色さんを待つ。
「おーい、Aちゃん」
現れた一色さんはスーツ姿。
いつも作務衣を着ているところしか見たことがないから、少し驚いてしまった。
「かっこいい?」
「.....なんか胡散臭い」
「ヒドイよ」
面談は当たり障りのない会話で終わり、可もなく不可もなくと言ったところ。
一色さんが変な事を言わないかヒヤヒヤしたが、ちゃんと保護者役をやってくれた。
「いやぁ〜懐かしいねぇ」
教室から出てぐるりと校舎を見渡す一色さん。
そういえばこの人も年齢不詳だ。
「ありがとうございました」
「いえいえ。アタシで役に立てたのならよかったよ」
帰りは深瀬さんあたりに迎えに来てもらおうかなんて話していると、
「あ、ああ、あー!!!!」
とこちらを指さし大声を上げる男子生徒が一人。
何事かと思わず一色さんの後ろに隠れる。
するとその生徒はずんずんとこちらへ近付き、
「あ、あの!一色黎明さんですよね!?俺、ファンなんです!」
と握手を求めてきた。
どうやら一色さんの熱烈なファンのようだ。
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まろまゆこ(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!悩みに悩んだラストだったのでそう言って頂けると嬉しいです(*´ェ`*) (2019年4月14日 8時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 素敵な終わり方で感動しました。ありがとうございます。 (2019年4月14日 8時) (レス) id: 4ed3c725ff (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - じゅうさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年4月14日 8時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
じゅう - コメント失礼します。とても面白く、一気読みしました。番外編待ってます!これからも頑張ってください(≧∀≦) (2019年4月14日 4時) (レス) id: 09d3df211f (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - ペンパルさん» ありがとうございます!番外編を予定しておりますので、よろしかったらそちらもよろしくお願い致します(*´ェ`*) (2019年4月13日 20時) (レス) id: 0dff0cf5de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まろまゆこ | 作成日時:2019年4月5日 7時