Episode38 ページ44
雪｢ん……？｣
目が覚めると、暗い部屋のベッドの上で寝ていた。
しかも、1つしかない部屋のドアは鍵付き←
ざっと部屋を見回していると、ベッドと机と椅子、それからドア付近に電気らしきスイッチ。
特に何もない、ただのシンプルな部屋。
地味←
とりあえず、スイッチを押して電気を付ける。
電気は付くんだ←
とりま、ドアを調べて、部屋の中も軽く調べる。
鍵は外からかかってるらしいが、部屋の中に鍵はなさそう。
これ、終わった？←
んー。とりま、様子を見てみる？
どうしても開けてくれなかったら、ドアぶっ飛ばす←
私もドアの方へ歩み寄り、耳をすませた。
洞潔｢姫乃 アヤメと姫乃 雪…一体どちらが本物の姫なのでしょうか…。｣
ハルヤ｢さぁな。それに、まだ狛崎 ツナギも残ってる。｣
洞潔｢姫乃 アヤメは子豚と同じ妖術、それから狛崎 ツナギも謎の術を使っていました。本人は、ただの妖術だと言っていましたが…。｣
ハルヤ｢じゃあ、狛崎 ツナギの力についても調べといてよ。何か参考になるかもしれないし、姫じゃなかった場合でも、敵の情報を知ることは大切だ。｣
洞潔｢それにしても、2人は何かしらの力があるようですが…姫乃 雪は妖怪が見えるだけ。線は薄いのでは？｣
ハルヤ｢ふふ…何を隠してるか分からないから、今ここに連れてきてるんだよ。いい情報をくれるはずだ。そうですよね？姫。｣
あぁ…やっぱりバレてたか……。
洞潔｢まさか、先程から聞いていたのですか？｣
ハルヤ｢盗み聞きとはいい趣味してますね、姫。｣
雪｢人を脅して閉じ込めたり付きまとったりしてる貴方には言われたくないわ。｣
ハルヤ｢ふふ…あなたが全て吐いてくれると言うなら、そこから出してあげますよ？｣
雪｢ほんと、最低ね。｣
ハルヤ｢何とでも仰って下さい。さぁ、どうなさいますか？姫…。｣
雪｢決まってるじゃない。Noよ。｣
ハルヤ｢そうですか。では、こちらも相応の手段を取らなければいけませんね？｣
すると、扉の向こうで妖気を感じた。
次の瞬間、私の足元に結界のようなものが現れた。
私の動きを封じるつもりだろう。
雪｢私を、どうするつもり？｣
ハルヤ｢ご想像にお任せします。｣
……仕方ない。ちょーっとだけ力を使いますか。
雪｢ふふ……｣
私は結晶石を取り出した。
そして結晶石に妖気をほんの少し込めた瞬間、
パリンッ！
私は足元の結界を壊した。
ハルヤ/島之内｢?!｣
雪｢さぁ…まだ聞きたい事でもある？｣
私はそう言って扉を壊し、驚いた顔の2人へ向かって笑いかけた。
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