仕掛ける賭け事 ページ2
「ほら、イトゥクさんのも探しましょう」
目の前のクローバーに視線を向けて探し始めると、彼もすぐ隣に身を寄せて、お互いの体温を感じる距離で、クローバーに手を伸ばす。
「あ、せっかくだから、先に見つけたほうは、お願い１つ聞いてもらえるって言うのはどう？」
「私はいいですけど、イトゥクさん、見つけられるんですか？」
「頑張るよ。絶対見つける」
「じゃあ、そうしましょう」
苦手なはずなのになんで？、と不思議に思ったが、どこか楽しそうな彼に、つられるように気持ちが浮きたつ。
彼のお願いがどんなものなのか、怖さ半分、期待半分。
でもきっと私の方が早く見つけられるに違いないと、お願い事をあれこれ考えながら、四つ葉を探す。
「A、もうちょっとそっち行って」
「あ、はい」
彼に言われるがまま横にずれると、彼も追いかけるように横に動く。
そのとき、彼のいつもの香水がふわりと香って、なんだか胸が締め付けられた。
彼に出会った時、こんな未来があるなんて、想像だにしなかった。
私の刺激に満ちた人生の夏休みの最後に、こんな最高のエンディングが待っていたなんて。
まさに、ドラマだ。
鼻で笑っていた、ドラマのような展開を手に入れた自分が可笑しくて、自然と笑みが零れる。
すっかり手の止まっていた私を現実に戻したのは、彼の
「わ！みつけた」
という一言だった。
「え？！本当ですか？」
「ほらほら」
と差し出された小さなクローバーには、確かに４枚の葉がついていた。
「嘘だったんですか？」
「何が？」
「苦手だって言ってたから」
疑いの眼差しを向ける私に、勝利した彼はどこか余裕顔だ。
「いつもは本当に見つけられないんだけどね。執念の勝利かな。Aは気持ちが足りなかったんじゃない？」
ニヤニヤと笑ってから、まだ疑っている私を見て、降参したように種明かしする。
「知ってたから、四つ葉のある株には、別の四つ葉もある可能性が高いって。だからAが見つけたそばにあるんじゃないかなって」
「だから、私の場所奪ったんですね」
「奪ったなんて、ちゃんとお願いしたよ？」
「そうでしたっけ？」
「怒んないでよ、A」
肩を抱くように優しく触れられると、急に顔に熱が集まってきて、落ち着かない。
「怒ってません…ち、かいですけど」
「そういえば、まだ聞いてなかったけど、Aが赤くなるのって僕だけ？」
ラッキーアイテム
革ベルト
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井上よじゃ(プロフ) - ★朴有正★さん» こんにちは！私もイトゥクさん大好きなので楽しんで頂けて嬉しいです♪続きは「おかえりと笑って」というタイトルで公開しています。良ければ探してみてください^_^ (2014年5月16日 22時) (
レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
★朴有正★(プロフ) - 私は、イトゥク大好きなんでこの物語はらすごく良かったです出来れば続きが見たいです (2014年5月16日 1時) (レス) id: d1add60b1c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - さやさん» お返事遅くなりすみません！陽だまりのお言葉…とても嬉しいです！ありがとうございます！このシリーズまだまだ続きますので（笑）どうぞたくさん楽しんでください♪ (2013年11月19日 10時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - よじゃさんはじめまして(^^)一気に読ませて頂きました！続編うれしい！(^^)キレイな言葉の数々に心を奪われました(^^*)陽だまりみたいな作品ですね！ (2013年11月12日 7時) (レス) id: 16ab2d69d9 (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - なつぽんさん» わわ！すごく嬉しいお言葉ありがとうございます！胸キュンというか胸ギュギュｗみたいなのが大好きなので、楽しんで頂けてとっても幸せですー！ (2012年10月27日 21時) (レス) id: a8bd2dc9eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：井上よじゃ
| 作成日時：2012年6月30日 16時
