第2話 ページ4
貴方side
ファンファーレが美しく鳴り響く
天候良し警備よし、で始まった入軍式のパレード。総統閣下を先頭に新兵の波を裂きその中を歩く幹部達
俺は今16歳
今年入軍した者の中で断トツで若い自信がある。というよりまず間違いなく最年少だ
だが何も問題はない
学力、体力、共に入軍テストにトップで受かっており、尚且つ俺の経歴は真っ白だ
スパイなどと疑われてもなにも問題がない
そこには俺が歩んできた"今世"の真っ白な"普通の軍人"の道筋があるだけなのだから
若くして軍に入るなど、どれほどの愛国者だという者はたくさんいるが
残念ながら俺は愛国者などではない
ただの復讐者だ
少し下げていた頭を上げて、俺はじっとそいつを睨むように見る
風に揺れる赤いマフラーが、今でもなお狂おしいほど憎たらしい
ギリッと歯軋りをしては、被っている軍帽のつばを掴み引き下げ、だが相手を見るのはやめない
奴を最後の最後まで見送ってから、我々新兵は移動する。入軍式1番の目玉である
幹部同士の模擬戦闘訓練がよく見える場所へ
新兵が見上げる中剣を交える幹部達、アイツはやはり強かった
靡くマフラーが火炎のようで、眼鏡の奥で光る赤い瞳に業火が宿っているようで
思い起こされる悔しい前世の記憶
復讐は虚しいだけだというものはいるが、俺はそれがなんだと吐き捨ててやる
復讐してなにが悪い
お前が瞳に業火を宿したというのなら、俺はこの胸に復讐の炎を宿そう
キィン、と音が鳴ったと同時に空高く剣が飛ばされ飛んでくる
周りが情けなく逃げる中、俺はその場でじっと落ちてくる剣をしっかりと見据えた
ギィーンと音を鳴らしながら目の前の地面に突き刺さった剣
よくよく見ていればどこに落ちてくるかなど予測するのは容易い事だ
それなのに無様に逃げて、、、今年の新兵はあまり粘りがある方ではなさそうだ
はぁ、と小さくため息をつきながらまたぐっと軍帽を引き下げ剣を地面から抜いた
「すまんすまん！大丈夫やったか？」と声をかけてくる空色の瞳を持った幹部の男
はい、と返事をして剣を返せば受け取ってくるくると遊ぶように振り鞘に納める男
こいつにも前世で随分と世話になったものだ
我々軍前衛近接部隊隊長、コネシマ。その容姿も性格も全く変わっていないこいつ
お前にもそれなりに復讐してやるからな
そういう意味を込めて微笑んだ俺を見て、コネシマは普段通りににっこりと笑った
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三千代(プロフ) - 今、読み返してますがこのシリーズほんとに好きです〜！！！震えが止まりません！ (2022年2月4日 17時) (
レス) @page48 id: 969193beea (このIDを非表示/違反報告)
フランドール(プロフ) - 次のパート待ってます！体に気をつけてくださいね。久しぶりに来たので、途中だった他の作品見てきます！ (2020年2月1日 20時) (レス) id: 8dc430943e (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - お疲れ様です！作品好きです(突然の告白) ひとらん頭撫でるの好きやな... (2020年1月15日 18時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
47 - え､､､好き。(小説の内容が) (2019年12月23日 22時) (レス) id: 08487fa41c (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - 新作おめでとうございます。この作品も毎日更新されるのを気長に待っております。貴方様の作品は何時も次回が気になって夜しか眠れなくなりますね…。 (2019年12月17日 13時) (レス) id: 4dd6ec14bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年12月1日 22時
