四十九の書 ページ5
貴方side
エ:本について、前から興味はあったんです。
彼は、そう言って本棚から何やら沢山の資料を取り出し机に置いた
エ:名前は読めないものばかりで、今も読めていないものばっかりなんですけど
ペラペラと資料をめくり、これとかね、と書かれている文字を指差した
その資料は、正確に魔道書の名前が沢山書いてある、非常に珍しい品物だった
貴:これはどこで?
エ:かなり歴史のある古本屋です。読めへんからって、かなり安くなってましてね!
貴:そう。
エ:んで、本題なんですけど。これ、全部読めなかった訳やないんですよ。
貴:読めるものがいくつかあったんだね?
エ:そうです。しかも、どうやら他の人には読めないみたいなんですよ。
それで、その、、、この前、一つ、A君から本の名前を教えてもらったじゃないですか。
そこまで言われて、僕は気がついた。ヨルの本の名前がエーミールには読めてたんだ
貴:読んだことあったんだね。宵闇の書の名前を、その資料で。
エ:えぇ、そうなんです。それに、、、。
貴:それに?
エ:不思議と、、なんの核心もないんですけどね?あの本の契約者が、、、
グルッペンやったような気がするんです。
エーミールの言葉に、耳を疑った。今のエーミールのその言葉は
紛れもなく事実だから
貴:、、、グルッペンじゃ、ないよ。
エ:や、やっぱりそうですよね!!いやー、ちょっと気になっちゃいましてw
今のグルッペンじゃない、ほんとはそう言いたかったけど、言わなかった
彼の困る様子が目に見えてるから
貴:気になった事を追求するのは悪い事じゃないよ、そうする事で、大事なことに気がつくことができるから。
昔、君が少しでも深くあの事件を考えていてくれたなら、、、
そしたらきっと、、、未来は少しでも変わっていたはずなんだ
きっと、ね
貴:エーミール教授、もう遅いから寝ようね。
エ:あ、はーいw
貴:また、何かあったらなんでも言ってね、答えられることは答えるから。
エ:ありがとうございます!それじゃ、おやすみなさい。良い夢を。
貴:おやすみ。
パタリと閉じられたドアの前で、僕は大きくため息をついた
どうしようもないほど、何かが重たいと感じた。エーミールが思い出したらどうしようと考えて
一瞬、剣を抜こうとした僕がいた
仲間を斬ってしまうなんて、仲間を守ろうと思っているのに本末転倒もいいところだね
口から漏れた笑い声は
酷く掠れていた
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くろねこ - ( ;∀;)うわあーいい話、、 (2月25日 9時) (レス) @page27 id: 867516ea99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - どの作品も最後の一言、とてもいい言葉が書いてある。作者さんありがとう! (1月3日 20時) (レス) @page27 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
いるか - すっごく!!感動しました!泣きました。ありがとうございました。 (2022年8月11日 20時) (レス) @page28 id: ace8bc3786 (このIDを非表示/違反報告)
海老天(プロフ) - あーーめっちゃ好きぃーーー推しはヨルだけど() (2022年6月2日 16時) (レス) @page28 id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
食害するゾロミール(プロフ) - ヨルくんも、救われてるといいな (2022年3月21日 14時) (レス) @page28 id: 9d739d612f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:地縛霊 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年4月10日 0時