五十六の書 ページ12
no side
「しにたくない、、まだ、いっしょにいたい、、、おねがい、、、だれかたすけて」
Aはボロボロと涙を零しながら、閉まっていく扉に手を伸ばした
そんな彼を、過去のグルッペン達は見ていた
そんな彼らを、今のグルッペン達は見ていた
「最低」
誰かがそう言った、
シャオロンが、自分によく似た男をころすつもりで殴ろうとした
コネシマが、自分によく似た男を本気で蹴り飛ばそうとした
ゾムが、自分によく似た男に向かって、ナイフを抜いた
トントンが、自分によく似た男の襟首を掴もうとした
グルッペンが、自分によく似た、Aを嘲笑った男に、銃口を向けた
各々が、自分によく似た、仲間を殺した男をにらみすえていた
大先生だけが、泣いていた
助けられなかったと、泣いていた
大先生は、閉じられた扉の前、爪が剥がれるほど扉を引っ掻いている男の背を撫でた
『A！！！！A！！！！Aすぐ出したるからな！！すぐ助けたるからな！！』
扉にかけられた呪いに弾かれながらも、扉を開けようとする男に向かって
無慈悲に闇が振り下ろされた
そこであたりがまた淡い光に包まれ、全員が元いた場所に戻ってきた
しばらくの間、誰もその場から動けなかった
ーーーーーーーーーーーーーー
貴方side
本の中に、グルッペン達が入ってから、どうしようかと考えた
本を抱き抱えて、しばらく泣いていた
どうしようもなく怖かった
どうしようもなく恐ろしかった
またあの目をされたらどうしよう
きっとどうしようもできないのだとわかっていた
結局、ゾムとロボロの記憶を消した意味がなくなってしまったな、なんて思っていたら
声を、かけられた
ショ:A？こんなとこで何してるんすか？
貴:ショッピ、、、。
ショ:え？なんで泣いてるんですか？取り敢えず、俺の部屋来ます？
貴:いいの？
ショ:コネシマさんには内緒にしてくださいね。
差し出された手を握れば、ショッピはゆっくり僕の手を引いて歩き始めた
今思えば、ショッピは800年前にはいなかった存在だから安心できるのかな？
貴:ショッピは、コネシマのこと嫌いなの？
ショ:好きか嫌いかで問われたら嫌いって言いますね。あの人殺すのは俺なんで。
貴:？不思議な関係だね。
ショ:あの人が殺してみろって言ったからそうしてるだけですよ。
貴:そう。コネシマなら、言いそうだね。
そう言うとこ全然変わってないからね、とは言わなかった
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くろねこ - ( ；∀；)うわあーいい話、、 (2月25日 9時) (
レス) @page27 id: 867516ea99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - どの作品も最後の一言、とてもいい言葉が書いてある。作者さんありがとう！ (1月3日 20時) (レス) @page27 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
いるか - すっごく！！感動しました！泣きました。ありがとうございました。 (2022年8月11日 20時) (レス) @page28 id: ace8bc3786 (このIDを非表示/違反報告)
海老天(プロフ) - あーーめっちゃ好きぃーーー推しはヨルだけど() (2022年6月2日 16時) (レス) @page28 id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
食害するゾロミール(プロフ) - ヨルくんも、救われてるといいな (2022年3月21日 14時) (レス) @page28 id: 9d739d612f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月10日 0時
