第170話 ページ35
貴方side
二人が去っても、俺は暫くその場から動く事ができず固まっていた
ハッと気がついて、慌てて書類をコピーしに走りなんとか間に合って安堵する
まだ心臓はドクドクと煩く鳴っている。冷や汗が止まらないまま頭痛がし始めた
はぁ、とため息を吐いては今日分の仕事を終わらせて廊下を歩いていれば
どうやら彼の見送りをするらしく、インカムで呼ばれたのでため息混じりに向かう
正直もう会いたくなかったが、仕事であれば仕方のない事である
門のところまでくると秋瀬がいて、俺を見て眉をしかめて駆け寄ってきた
秋:A、大丈夫か？顔色悪いぜ？
貴:秋瀬、、あの人が、
秋瀬に訳を話そうとした所で、背後から足音が聞こえてきて慌てて並ぶ
すると目の前に彼がやってきた
にこりと微笑むその顔に、頭を下げれば肩を2、3度叩かれ、こう言われた
デ:また会おう。
返事はできなかった。さっきより頭痛が実感できるほど強くなって声が出せなかった
やがて彼は馬車に乗り込み、去って行った
それを見送った瞬間、周りにいた人間が全員俺に近づいてきたのだが
一歩踏み出した瞬間、視界がぐるりと回転し、身体に力が入らないまま地面に向かっていった
そこでぷつりと記憶が切れ
目が覚めると医務室のベッドで横になっていた
頭が痛い、視界がおかしい、身体が重く、そして異常に熱い。どうやら熱があるらしい
ズキズキ痛む頭を抑えながら、洪水のように溢れ出てくる記憶
『俺は少し特殊でな。魔術というものに幼い頃から興味を持ち、そしてその分野を極め始めた』
『その結果、俺は不老になった。嘘だと思うか？まぁお前はそんな事気にしないのだろうが』
『A、お前は俺のお気に入りだ。お前がどう思っていても、俺はお前を諦めない』
『だがお前は死ぬ。普通の人間だからだな。だから俺は奴、、、Jと研究しそして完成させたんだ』
『外見、思考、性格、それら全てをそっくりそのままで輪廻転生させる、この魔術を』
『魂に印をつけるんだよ、そうする事で見つけやすくなる。お前とそうだな、、、後カラザの秋瀬と結弦、あの二人は欲しいな』
『あとはワレダの連中はまるっと欲しい。早い目のうちに潰して俺の手中に引き込もう。そうと決まれば戦争だな』
『負けるなよ？A。これは命令だ』
狂ったように微笑む奴は
きっと悪魔か何かだと真剣に思ったのを
焼き付くような痛みと共に思い出した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
岩(プロフ) - また我々国的なの作っては前と同じようにわちゃわちゃして、前とは違って長生きするんだろ…？んで流れ星とかで犠牲になった先輩方も記憶はないけどおるんやろ…？？ハピエンはやっぱりええですね！！ありがとうございます！！！ (4月29日 13時) (
レス) @page43 id: e3eeef0015 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ????(プロフ) - あっ何だ神か…涙がどバッタはなっはっは！！…………ありがとうございます(土下座) (2月20日 21時) (レス) @page43 id: 265c011d20 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最後めっちゃ泣けました。ハピエン最高‼作者さんいい作品の提供ありがとうございます！ (1月3日 11時) (レス) @page43 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - ワーホリってどういう意味か誰か知ってたりしませんか！！トントンがワーホリってどういう意味なのか誰か教えてくださいませんか！ (12月20日 14時) (レス) @page43 id: c8a05a8ee5 (このIDを非表示/違反報告)
U - やばい、終始涙で文字が読めなかった...他の皆さんの言葉を借りることにもなるけど主人公の心情の動きに私の心もつられてしまう...(ꈨຶꈨຶ) (8月31日 1時) (レス) id: 22e7845591 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年6月10日 21時
