第169話 ページ34
貴方side
デ:そこのお前。名は何という？
貴:Aです。書記長補佐官を務めております。
デ:なるほどな。
何がなる程なのかわからない。そんなことより、声、いや口調すら同じとはどういうことだ
冷や汗が止まらない、俺は総統様が大の苦手だった。読めない笑顔がひどく怖かった
デ:ではA、お前に外務室まで案内してもらおう。
貴:、はい。
有無を言わせない言葉遣いとオーラと威圧。声が震えないようにするので精一杯だった
書類を落とさないように抱きしめて、浅く呼吸をしながら歩みを進める
そんな俺に総統様が話しかけて来る、というよりかは語っているのに近い
デ:昔、俺には有能な部下がいた。俺が言う前に察して動き、俺が指示する前に行動していた。
お前と同じ、美しい白髪に、透き通る浅黄色の瞳を持っていた、美しい男だ。
だがそいつは、いくら俺が高く金を積んでも、どれほど賞を授けても、どれほど寵愛しても
奴は決して俺に靡くことはなかった。
そこまで言うと、突然俺の腕を掴み振り向かせた総統はじっと俺を見つめて言った
最後の最期までな。
さらり、と髪を撫でられる。気持ちが悪い、と思うより先に恐怖が背筋を這っていく
デ:お前はどうだ？お前の噂はよく聞いている。書記長とはあまり上手くいっていないらしいな？
さぞかし辛いだろう。好きでもない相手の補佐をやらされるのは。
どうだろう、うちの軍に来ないか？お前が望めばかならず上手く引き抜いてやろう。
お前は奴によく似ている、、、。重宝する事は約束してやろう。
細められた目と企んでいるような笑み、それを見つめながら、静かに口を開いた
貴:もし、本当にその方に小官が似ているのであれば、、、小官も貴方に靡くことは無いのでしょうね。
丁重にお断りさせていただきます。小官は、我々軍の人間でありますので。
俺の手首を掴んでいた総統様の手をやんわりと外し、目は合わせない
先へ進もうとした瞬間、再び手が伸びて来た。だがその手が俺の腕を掴むことはなく
俺と総統様との間に入り込んできたトントンに遮られ戻っていった
ト:こんな所にいらっしゃったんですね。迎えの者が遅くなってしまい申し訳ございません。
外務室までは私がご案内いたしますので、私の部下を勧誘するのはおやめいただけますか。
ふわりと感じる重圧
何故か怒っているらしいトントンを見て、総統様はクスクスと笑って「失礼」と返した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1304人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
岩(プロフ) - また我々国的なの作っては前と同じようにわちゃわちゃして、前とは違って長生きするんだろ…？んで流れ星とかで犠牲になった先輩方も記憶はないけどおるんやろ…？？ハピエンはやっぱりええですね！！ありがとうございます！！！ (4月29日 13時) (
レス) @page43 id: e3eeef0015 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ????(プロフ) - あっ何だ神か…涙がどバッタはなっはっは！！…………ありがとうございます(土下座) (2月20日 21時) (レス) @page43 id: 265c011d20 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最後めっちゃ泣けました。ハピエン最高‼作者さんいい作品の提供ありがとうございます！ (1月3日 11時) (レス) @page43 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - ワーホリってどういう意味か誰か知ってたりしませんか！！トントンがワーホリってどういう意味なのか誰か教えてくださいませんか！ (12月20日 14時) (レス) @page43 id: c8a05a8ee5 (このIDを非表示/違反報告)
U - やばい、終始涙で文字が読めなかった...他の皆さんの言葉を借りることにもなるけど主人公の心情の動きに私の心もつられてしまう...(ꈨຶꈨຶ) (8月31日 1時) (レス) id: 22e7845591 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年6月10日 21時
