【wrwrd！】占い師で死神な彼と我々だ！II【男主】 (ページ21)

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第65話ページ21

貴方side

帰って来た俺の様子を見て、何かを察したらしいトントンは全員を会議室に集めた

そこで俺はある教会に黒傷がいたことと、奴が抱いていた子供のことを伝えた

子供のことについては、皆驚いていた、それは仕方ない、俺だって驚いたんだから

忘れかけていた古いナイフを取り出せば、それにひとらんらんが反応した

ひ:それ、、、！

貴:ん？

ひ:それ、13年前、全滅した俺の部隊にいた副隊長のナイフだよ

ひとらんらんの言葉に驚いてじっとナイフを見た、確かにそれは軍のナイフだった

ひ:気に入ったみたいでさ、毎日研いでたし、毎日見せられたから覚えてる

ナイフを俺から受け取って、どこか悲しげに、そして懐かしげにナイフを見つめるひとらんらん

ひとらんらんの言っていることが事実であれば、あのナイフは副隊長さんの遺品だ

奴は多分、気に入った武器を持ち帰るようにしていたのだろう、拠点はあの教会で間違いないはず

そうと決まれば話は早い

貴:グルさん、俺はこれから自分の仕事をしなければいけません。それを踏まえて、お願いがあるんです

グ:なんだ？

貴:俺は、、俺たちは子供には触れられません、奴がどうやって抱いていたのかはわかりませんが

普通なら抱っこなんかしたら大火傷間違いなしなんですよ、だから

グ:子供はこちらで保護してほしい、と？

貴:そう

頼めますか？、そう、問いかければ、彼らは当たり前だと笑って言ってくれた

その笑顔に俺は何度助けられたのでしょう、きっと、この両手では足りないのでしょうね

ニッコリと笑い返せば、作戦会議がサクサクと進んでいった

1人じゃできないことは多い、でも、今は1人じゃない、不思議なことに仲間がいる

負ける気はしなかった

負けるなんていう考えはなかった

たとえ後から奴がどこかの軍で総統に成り代わって我々軍と戦争しようとしていることを知っても

無条件で''勝てる''、と、なぜだか確信するように思った

時間はゆっくりからどんどん早くなり、気がつけば明日、奴の軍へ宣戦布告をするまでに日は迫っていた

俺の体のシミも、もう随分と広がってもうそろそろ隠しきれなくなってきた

俺にも、奴にももう時間がない、消えるのは怖くないんですよ

みなさんのためならちっとも怖くないんです、でも、、、

みなさんが俺のことをきちんと忘れてくれるかどうかが

とっても心配です