第5話 ページ7
貴方side
その日
結局、帰って来たのは冷たいドックタグど、ボロボロの橙色のマフラーだけだった
上司は言った「探索はまだ行われているが、望みは限りなく薄い」と
聞いた、聞いたよ、それ、昔にも、俺の部隊が散り散りになって、俺だけ帰って来た時に
聞いたんだよ
結果、みんな帰って来なかった、みんなこの冷たい塊だけになった
冷たい魂が
また一つ増えた
もうこれ以上は耐えられない、もうこれ以上は、、、俺の中の何がもたない
誰もいない静まり返った真っ暗な部屋の中で、静かに繋がる先のないインカムのスイッチを押した
昨日なら聞こえていた「なーに？どうしたのA」と言う声はもう返ってこない
これはただの俺の自己満だ
言えなかったことを
言いたかったんだ
遅すぎるけど言わせてくれ
『、、、こちらA、只今の時間1時26分。お前の捜索が開始されてから8時間が経過した』
『軍はもうお前を死んだものと仮定し、バディである俺にドックタグを渡して来た』
『、、、お前は、俺にしっかり前を向いて生きろと言った、はっきり言う。俺には無理だ』
『俺は、おまえがスパイだとわかっていた、それでも護ろうとした、けどそれは叶わなかった』
『二度もここ(軍)に奪われた』
『なぁ、、、あのな？この軍で、大切なものなんて、もう、お前以外何もなかったんだ』
『何も、、、無かったんだ』
『なぁ、なんでしんだんだ、なんでおまえまで、おれをおいていったんだ』
『あまね、、、天音、、、なぁ、天音、お前は俺の最高のバディで最期の唯一無二だ』
『敵討ちとしてこの腐った軍を潰すことしかできない俺を、どうか、、、』
『護れなかった俺をどうか恨んでくれ』
いっそ一緒に連れてってくれ
とは、言えなかった
この軍を、潰してからじゃないと、死ぬ気にもならなかった
ピッ、とインカムを切り、流れていた涙を雑に拭い、インカムを床に投げ捨て踏み砕く
次にボロボロの橙のマフラーを首に巻きつけて、窓を全開にした
準備はできている、ここのコンピュータにはウイルスを仕込んでおいたし
流せる情報は全て他の国にそれとなく飛ばしておいた
はなからこの軍を一人で潰せるなんて思ってない、ここがかなり強いことなんか知ってる
だから
火種をそこら中に撒いてやった、探れば探るほど燃え盛る火種を
戦争になれ
そして
俺に奴らを
ここの幹部と総統を
殺らせろ
そのためなら
俺は
全てを捨てられる
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クロ - お疲れ様です。がんばってください！！！（読み終わる前） (2021年12月19日 18時) (
レス) id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
天音 - つい最近読み出して、ここまでずっと同じ名前でやっていたら同じ名前だったからびっくりしましたwww (2021年4月5日 13時) (レス) id: b4e0578ead (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - めとめがあうー♪（真顔） (2019年3月6日 2時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
紅色狐 - 最近読んでみました(*^^*)すごくいい物語だと思います。これからもほかの作品期待してます。 (2018年10月28日 14時) (レス) id: d7846a71cd (このIDを非表示/違反報告)
チョコチップメロンパン(プロフ) - この物語がアニメ化するなら蛇は宮野真守さんが似合いそうだな (2018年10月23日 7時) (レス) id: 71d0a5c15e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月10日 22時
