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第30話 ページ32

貴方side

ついた中庭は外の香りでいっぱいだった、土の匂いに、風の匂い、季節独特の匂いもして


俺はこの世界(クウカン)が好きだった


遠くで馬や鶏の鳴き声が聞こえた、動物を飼育しているようだ


よく見れば畑のようになっている、よく整備されているようで、綺麗だ


貴「ここは綺麗だな


そう、ゾムに書き言えば、ゾムはなぜか誇らしげに笑って


ゾ:せやろ?


と返してきた、その一言に、どれほどの感情が絡んでいるのか、俺には少ししか想像できなかった


だが、ここがあの世界の終わりのような場所から帰ってきたものを癒すオアシスなのだと思った


貴「ここはいいところだ

貴「綺麗だし

貴「時間がゆっくり流れているから

ゾ:から?

貴「俺みたいなやつでも、あそこを忘れられる


ぬぐい切れない終焉と血の匂いに、麻痺するのはきっと手足だけではない


心もだ


洗ってももう落ちない血の色や匂い、それを忘れられる場所がいると


かつての司令塔は言った、昔はよく分からなかったが今は確かにその通りだと思う


風が優しく吹いた、包帯だらけの俺の体を、優しくなでるように吹いた


生きてる

まだ

俺は生きている


ふと、誰かが後ろから抱きついてきた、小さい、暖かい存在だ


お腹あたりに回された手を抱えるように抱きしめれば、後ろから小さく聞こえる


「おはよう」の言葉


潰れた喉では返事はできないが、パクパクと口を動かして返事をした


『おはよう、ロボロ』


振り向けば、おでこにデコピンをされた、痛いが、こればっかりは仕方ないかとしでかしたことを考え黙った


その後プンスカプンスカ怒るロボロの説教を聞きながら適当に相槌を打っていれば


ふと、遠くから火薬の匂いがした


何か嫌な予感がして、咄嗟に隣にいたゾムの頭をスケッチバックで殴る


ゾ:え?なに??

貴「火薬の匂い


短い俺の言葉をみて、ゾムの目の色が変わる、ロボロも、遅れて俺の字を見た


ロ:!どこからする?

貴「城の中

ゾ:中!?

ロ:それ、ほんま?


答えるのがめんどくさくなり、驚き問いかけてきたロボロの手を掴み、早歩きで城の中を匂いをたどる


本当にうっすらとしか似合わない火薬の匂い、だが、そこに潜んだ殺意は痛々しいほど感じる


これは戦場に生きるものの勘とも言える何かだ、場数を踏んできた分


間違いは限りなくゼロに近いものになる


歩いていたはずの足が勝手に走り始めた、途中でスケッチブックを邪魔だと判断し落とした


匂いは近い

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クロ - お疲れ様です。がんばってください!!!(読み終わる前) (2021年12月19日 18時) (レス) id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
天音 - つい最近読み出して、ここまでずっと同じ名前でやっていたら同じ名前だったからびっくりしましたwww (2021年4月5日 13時) (レス) id: b4e0578ead (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - めとめがあうー♪(真顔) (2019年3月6日 2時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
紅色狐 - 最近読んでみました(*^^*)すごくいい物語だと思います。これからもほかの作品期待してます。 (2018年10月28日 14時) (レス) id: d7846a71cd (このIDを非表示/違反報告)
チョコチップメロンパン(プロフ) - この物語がアニメ化するなら蛇は宮野真守さんが似合いそうだな (2018年10月23日 7時) (レス) id: 71d0a5c15e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:地縛霊 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年9月10日 22時

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