第10話 ページ12
貴方side
一番下まで降り、ナイフを回収したが、ナイフはボロボロでもう使えそうに無かった
使えなくなった武器を持っている必要もないか、とナイフは放り投げた
四方を壁で囲まれたここは一見出口がないように見えるがそんなことはない
隠し通路がある
後ろの方で俺のことを推し量るようにじっと見つめる外交官は無視して
隠し扉のスイッチになっている部分の壁を思いっきり蹴る
ガチッ、という音がして、壁がヘコみ横へスーッと動いた
後ろから「おぉ！」という声が聞こえたが、それすら無視して外交官の腕を掴み進み始めた
数分ほどはお互い無言だったが、突然外交官が俺に話しかけてきた
？:なぁ、なんで助けてくれたん？
貴:、、、
何も答えず、チラッと顔を見てからすっとまた前を見る
？:、、、見た所、、、ここの軍の人、やんな？
貴:、、、
今回は首を左右に振ることで答えた、声を出すつもりはあまりない
？:え？ちゃうん？でもその服、ここの軍の戦闘服やろ？
貴:、、、
？:また、だんまりか、、もしかして喋られへんの？
また首を左右に振る、すると外交官は何を思ったのかいきなり立ち止まった
何故止まったんだ？と疑問に思い振り返れば、外交官と初めてちゃんと目があった
外交官の瞳はあいつとは違って落ち着いた深緑の瞳だった
オ:俺の名前はオスマン。我々軍の外交官をやっとる、助けもらったからにはちゃんと名乗らんとあかんやろ？
ふふ、と微笑んだ外交官、、、オスマンの笑顔は、あいつの笑顔とよく似ていた
だから目を逸らした
ズキリと胸がいたんで、息をするのが辛くなりそうだったから
橙のマフラーをぎゅっと握り、口元まで引き上げ、ふぅ、と小さく息を吐いて呼吸を整えた
オ:なぁ、大丈夫？
そう問いかけてきたオスマンを片目にまた歩き始めれば
オスマンが俺を追い越し、俺の目の前に立ち止まるように促した
何をしているんだ、と、言いそうになったその時、そっとハンカチで目元を拭かれた
オ:言いたくないんやったら、無理には聞かんから、これだけもらっといてくれへん？
そう言って手渡されたオスマンの瞳と同じ色をしたハンカチ
それをよく見ればかすかに濡れていて、自分が泣きそうになっていたのだと気がついた
返そうとハンカチを見つめていた目をオスマンに向ければ、無言で顔を左右に振られ
真剣な深緑の瞳が
「絶対返すなよ？」
と言っているような気がしたから
今は諦めることにした
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クロ - お疲れ様です。がんばってください！！！（読み終わる前） (2021年12月19日 18時) (
レス) id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
天音 - つい最近読み出して、ここまでずっと同じ名前でやっていたら同じ名前だったからびっくりしましたwww (2021年4月5日 13時) (レス) id: b4e0578ead (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - めとめがあうー♪（真顔） (2019年3月6日 2時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
紅色狐 - 最近読んでみました(*^^*)すごくいい物語だと思います。これからもほかの作品期待してます。 (2018年10月28日 14時) (レス) id: d7846a71cd (このIDを非表示/違反報告)
チョコチップメロンパン(プロフ) - この物語がアニメ化するなら蛇は宮野真守さんが似合いそうだな (2018年10月23日 7時) (レス) id: 71d0a5c15e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月10日 22時
