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貴方side
ユルシュ様は窓から空を指差して言う
「今日の空はとっても綺麗、私はもっと近くであの綺麗な色を見たいわ、烈火」と
まるで空を欲しがるような、無邪気な瞳と声色が、とても、、苦手だと思った
貴:仰せのままに、我らが総統閣下。
返事をしてから
瞳に空を写して、空を宿す
これは苦手だった、だって少しゾワっとするのだ、へんな感じがする
ユ:やはり貴方は綺麗ね、烈火。
貴:お褒めにあずかり光栄です、総統閣下。
白い指が頬にふれる、生暖かい、人の体温のせいなのか、それとも瞳を使ったかなのかはわからんが
なんだかとても、気分が悪い
ユ:観光、しましょうか。エスコートをお願いできますか？グルッペン様。
グ:えぇ、勿論喜んでさせていただきますよ、ユルシュ様。
お二人で並んだ歩く姿はとても絵になるが、それを見ていられる気分ではない
ナ:A、大丈夫なのぜ？
こそっと、問いかけてきたナーシャに、俺は少し息を吐いただけで返した
ナーシャの顔が少し険しくなるが、彼女ではわからないだろう
この後
彼女は至る所で「あの色をもっと近くで見たいわ、烈火」と無邪気に言った
不思議な色のお菓子
綺麗な滝のさめざめとした青
美しい湖のエメラルドグリーンに
生い茂る深緑の木々の色
何回も何回も、沢山の色を瞳に写して、元の色を塗り潰すように染め上げた
綺麗、綺麗ね、とあの人はいつもそれだけだ。それだけ言って、すぐ別の何かを欲する
そのせいで今では、、、血を吐きそうなほど、気分が悪かった
だが総統閣下がいる手前、手で口を覆い隠すことすら許されない
よく見える視界は、いつもこのしんどさを引きずることとなるから嫌いだな
奇病持ちなど、どうなっても良いと、このお方は思っておられるのだろう
軍としては別に間違った判断はしていないから、不満があるわけではないが
崖から美しい湖と滝を見ていると、死ぬ前に一度でいいから海を見てみたかった、とは思う
それが過ぎた願いなのも、叶うことのないものだと言うこともよくわかってはいるがな
観光はここで最後だ、あとは帰るだけ
そう、あとは帰るだけなのに、問題とは偶然にも起こってしまうもので
歩くユルシュ様の前を、小さな少女が横切った
刹那、抜かれる二つの銀
風を切り裂き少女に向かって抜かれたユルシュ様の剣を、ナーシャがナイフで止めた
本気、斬るつもりだったようで、剣は歪な音を立てて止まった
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ゆき - とてもいい作品でした。作者さんありがとうございます！ (3月4日 20時) (
レス) id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ - 無理だ…これは泣くよ…( ；∀；) (2月12日 9時) (レス) id: 867516ea99 (このIDを非表示/違反報告)
りと - 号泣して頭痛がァ…。ナーシャの生死ははっきりと確認されてなかったから望んではいたけど皆死んだって言ってるから…。ゔｳﾞ~~~(泣)幸せになって良かったよォ主くんんんんん…！！お疲れ様でした！！！頭いてぇ…w (7月15日 0時) (レス) @page32 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 神作品をありがとう！！！！（初コメですすいません）番外編とかないですか！？ (7月10日 18時) (レス) @page32 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - ナーシャのキャラめっちゃ好きだーー！！ (2023年4月27日 23時) (レス) @page32 id: 8fec33f08b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年3月14日 14時
