第7話 ページ9
貴方side
瞳を閉じてから
体が水に沈んでいくような感覚がした
死ぬってこういう感じなのか、、、
なんて思いながら流れに身を任せていたら
急に体に浮遊感がやってきた
え、なに！？なに！？
と、慌てていたら
ふわり、と身体が持ち上がった感覚がして
目の前に、見慣れない風景が広がった
それはどこかの部屋のようで
広くて、高そうなソファーが置いてあって
その奥にこれまた高そうな机があって
その机には大量の紙が置いてあった
紙というか、これは資料か、、、！
なんて思いながら見てたら
ちらりと、資料の山の向こうに輝く金髪を見た
誰かいる
俺はゆっくりと近づいた
ちらりと覗き込むように見れば
その人は知っている人だった
と、言ってもちゃんと顔を合わせて話したわけじゃないけどな
なぁ、ドイツ
ドイツはどうやら、資料にサインをしたり、目を通したりしているようだった
顔をよく見てみるとクマができていた
どうやら寝てないようだ
戦後処理は確かに忙しいけど、、、
貴:ちゃんと寝ないと、倒れるぞ？ドイツ
ぼそりと呟いた
聞こえるはずのない俺の声が部屋に小さく響く
虚しっ！
そう思ったその時
部屋のドアがノックされ
七三分けのお兄さん、、、ソ連兄さんが入ってきた
ド:？、どうした？トン氏
ドイツが言った
ソ:これがあいつの胸ポケットから出てきたんや
ソ連兄さんが机にあるもの置いた
それは、真ん中にぽっかりと穴が空いた
懐中時計だった
ソ連兄さんが続けて言った
ソ:これで証明されたな、あいつはイギリス本人や、この懐中時計を持ってんのはこの世でイギリス本人たった1人だけやからな
と、ドイツがそっと懐中時計を手に取り
ド:イギリスの容体は？
と、ソ連兄さんに聞いた
あ、俺生きてるんだ
ソ:呼吸も脈も一応安定してるけど、意識はまだ戻ってない
ド:そうか
ソ:そうや
部屋に沈黙が流れる
ぼそりと、ドイツが呟いた
ド:はよ起きろや、イギリス
呟いたドイツの瞳はとても悲しそうで
ソ連兄さんも同じ瞳をしていたから
貴:わかった、急いで起きるよ、、、ドイツ
って、返事をした
そしたらいきなり視界が真っ暗になって
胸とお腹と足に鈍い痛みを感じて瞳を開けた
そこには真っ白な天井が広がっていて
痛みに耐えて身体を起こしたら
ここが医務室だということに気づくと同時に
俺の手を掴んで眠る人に気づいた
え、誰？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 778人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒猫飴(プロフ) - 作者様の小説読み返し(五、六回目)期間に入っております。あなた様の小説が、マジで面白くて大好きです！！書いてくださって、本当に有難う御座います。続きに行ってきます！！ (2022年5月29日 11時) (
レス) @page1 id: c8537bae2f (このIDを非表示/違反報告)
0 - 面白過ぎて１日で読み終わってしまった! (2022年1月18日 21時) (レス) @page48 id: b5ffb20314 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - すみません、コメントする作品を間違えてしまってました (2021年9月16日 21時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編も読みたいのですか、パスワードを教えて欲しいです！ (2021年9月16日 21時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)
優雅矢雫(プロフ) - 最近見だしたんですがすごく面白いですこれからも頑張ってください (2020年12月26日 23時) (レス) id: 6140c46fdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月4日 22時
