三十一話目 ページ11
〜ベルside〜
.
べ「俺さ、この町、出る。」
数ヶ月前から考えてた事。
もう、この町にはシェーレはいないんじゃないかって事。
もうシェーレには会えないんじゃないかって事。
俺に飽きたから、何処かに行ってしまったんじゃないかって事。
いろんな事を考えた。
その果てに、ようやく自分で答えを見つけた。
この町を出て、暗殺者になるって事を。
貴「え、どうして……?」
本当はもっと早くから気付いてた。
国中の人間を殺して城を出た時、既に人間として手遅れになってた。
もう、普通には生きられないって。
シェーレがいなくなって半年近く、随分と長い間本気で身体を動かしてない。
半年間押さえ込んでた、感情が最近溢れてくるようになっていた。
身体中が血を求めてる。
誰かをまた、殺したいって思うようになった。
べ「俺はこの町を出て、シェーレを探す。」
いつだったか、路地裏にいた黒服の連中が言ってたVARIA という所の事。
そこでは人殺しをやってるらしい。
そこに行けば、殺しをしても咎められないと。
けれど、シェリルにそんな所に行くだなんて言えるはずもない。
ましてや、何も言わずにいなくなるだなんて出来るはずがない。
半年の間も自分と共にシェーレを探すのを手伝ってくれた人だったから。
べ「ほら、この町にはもうあいつ、居ないから別の町に行ったのかもしれないし、
いつまでも此処でシェーレを探しててもキリがねぇしさ、
だから俺、違う街に行ってあいつを探す。」
貴「!
………そ、っか、
そうだよね。」
べ「今まで、シェーレ探すの、手伝ってくれて、
その、
あ、ありがとう…」
貴「…、そんな、礼を言うことなんてないよ‼
私が勝手にベルを手伝ってただけだからさ…
それに、ベルと出会えて良かった。
楽しかったし……。」
チラリとシェリルの顔を盗み見ると、どうしてか悲しそうな顔をしているような気がした。
どうして?
俺がこの町からいなくなれば、シェリルは自由にやりたい事がやれるのに、
なんでそんな顔、してんの?
貴「それで、この町から出るのっていつ?」
べ「明後日」
貴「えっ!?
急過ぎない?」
一瞬崩れたように見えたその表情は、次の瞬間には驚いた様なものに変わっていて、あれは気のせいだったのか?
なんて思ってシェリルの横顔を見た。
ラッキーアイテム
革ベルト
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毒林檎(笑)(プロフ) - 応援ありがとうございますぅぅ!!更新はかなり遅めですが、楽しんでもらえていると思うととても嬉しいです! (2015年8月11日 9時) (
レス) id: 32010bff2a (このIDを非表示/違反報告)
闇薔薇(プロフ) - 面白いです頑張ってください (2015年8月7日 9時) (レス) id: b45b6ce6ea (このIDを非表示/違反報告)
アマテラス(プロフ) - 頑張ってください楽しみにしています(／(ｴ)＼) (2015年7月9日 1時) (レス) id: 0be4177367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毒林檎(笑) | 作成日時：2015年2月26日 18時
