雪男たちには雪女が隠れてる2 (ページ23)

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渡辺翔太は拗ねていた。いや、確かに、全然付き合ってないし、好きとか言ってないけど、Aが俺を最後に回してるところがとても気にくわない。涼太は良い、だって、しょうがない。会話の流れだったから、でも、その後の佐久間はやだ。だって、あいつ寝てたもん。なら、近くに居た俺で良くない？なんで？付き合ってないけどさぁ！なんか、そういう絆？的なやつがあると思ってたのに…面倒くさいと思われたくないから言わないけど！……手遅れである。

瀬野
『翔太ー！どぅーん！』

どぅーん！と言うときは大抵飛び付いてくる。これは、入所したての頃から変わってない。だから、腕を広げて支える姿勢に入っておく。

瀬野
『翔太？拗ねてる？』

渡辺
｢まぁな｣

瀬野
『かーわいいなぁ！よしよしー』

嬉しくはない。好きな子にかわいいなんて言われてもただ恥ずかしいだけだし。

瀬野
『翔太？俺、急に飛び付いても支えてくれる翔太が大好きだよ』

渡辺
｢…なんだよ、急に｣

瀬野
『翔太が居るから、俺は今ここに居るんだよ？翔太が受け止めてくれたから、ここに居られるんだ』

渡辺
｢俺だけじゃねぇよ｣

瀬野
『でも、翔太が居なかったら俺は多分普通の女の子的なことやってるよ』

渡辺
｢そっか…｣

それはそれでみたいが、多分ステージの上で輝くAよりかは見応えが無さそうだ。

瀬野
『俺にとって、翔太はヒーローだよ。俺のこと救ってくれてありがとう』

なんか、Aの笑顔がキラキラしていて眩しくて他のメンバーと一緒じゃ嫌だなって独占欲みたいなのが出た。だから、つい。自分のほっぺに向かってくるAの唇に合うように自分の唇を向けた。

瀬野
『ん、翔太。今、口にした？』

渡辺
｢は？気のせいじゃね？あー寝るわ！｣

瀬野
『じゃ、俺も寝るー』

佐久間
｢え、見ました？奥さん｣

深澤
｢見ましたよ。ねぇ、奥様｣

宮舘
｢すごい行動に出ましたね、ヒーローさん｣