Stage8 ページ10
Stage8
Aが居心地が悪そうに肩を縮こませて居ると、勇利はこんなことを言い出した。
「おいとダンスバトルして勝ったらAとデートしてもよかと。」
「oh!それは面白そうだね!!」
やろうやろうと言って彼らは本当に様々なダンスを公共の場で披露してくれた。ヒップホップダンスやらポールダンス……まぁお陰で私とのことがうやむやになったので助かったのだが。
酔っぱらいの勇利には感謝してもしきれない。助け方は色々と酷かったけど。
世界選手権ではそのこともあって、ヴィクトルから距離をとって逃げ続けて……まぁその絡まれたバンケット以来なのだ。私の頭の中では既に危険信号がチカチカ光っている。
「そうそう、勇利に婚約者の責任果たしてもらったのかい?」
「婚約者になる予定も結婚する予定も無いですし、何よりも本人忘れてますよ。」
「そうなのかい?驚きだね。」
ヴィクトルは大げさに驚いてみせた。そしてこちらへ一歩ずつ距離を詰めてくる。
「じゃあ尚更好都合だね。僕とデートしてくれないか、お姫様。」
「だが断る。」
何故?why!?と叫ぶヴィクトルはあまりショックそうではなく、さりげなくAがとった距離だけ同じようにこちらへ寄ってくる。遊ばれている。
「何してんのヴィクトル?」
「勇利!」
勇利くんが天の助けのようにやってきた。……た、助かった……。
「ご飯出来てるよ。」
今行くよ、と返事したヴィクトルはあっさり食堂へと行ったようだった。代わりに勇利くんがこちらへと近付いてくる。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。」
そう言って笑うと勇利くんは複雑そうな顔をした。逆に聞き返すと
「Aは優しいから……あんまり溜め込まないでね。」
なんのことかわからないけれど、心配されたようだ。ご飯食べに行こう?、とへらっと勇利くんがまた笑った。好きな人の眩しい笑顔に恥ずかしくなって、頷いて先に食堂へ向かった。
だからAは知らない。勇利が背後で怒ったような泣きそうな複雑な表情を浮かべていたことなんて。
85人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
岡崎雪(プロフ) - うたプリ大好き?さん» 長々と放置気味で申し訳ございません。本日更新いたしましたので、もしよければご覧下さい。 (2017年7月27日 2時) (レス) id: 0853e273f8 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています(笑) (2017年3月16日 0時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
岡崎雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。主人公には伏線が多いため、設定ページを設けておりません。職業についてはStage3まで読み進めて頂けたらわかるかと思います。 (2016年12月28日 12時) (レス) id: 0853e273f8 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 夢主の職業がよくわからないです (2016年12月28日 12時) (レス) id: 6025f4bd80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:岡崎雪 | 作成日時:2016年12月27日 0時