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Stage24 ページ26

Stage24

その晩、勇利は晩御飯を3人で食べているとユーリとヴィクトルの姿を見て、格差を感じた。
強気でヴィクトルとも対等に接している、僕より……とどうしても考えてしまう勇利が駆け出した先にあったのはアイスキャッスルはせつだった。昼間とは違い、静かな入口に誰もいない受付。
いつも優子さんがいるはずなんだけれど……と不思議に思っているとリンク場の方から物音が聞こえた。それに惹かれて足を踏み入れると、Aが滑っていた。
よく勇利とヴィクトルの練習のお供をしていた彼女がここ最近滑っているのを目にしていなかった。ヴィクトルに聞いても滑っていないと言っていたし、以前迷っているような口ぶりで話していたものだから辞めるんじゃないかと勇利は不安だった。だが、わざわざこんな時間に滑っているのは何故だろうと勇利は疑問だった。
……何かを隠したいのであろうか。
そんなことをしばらく考えていたが、Aは未だに気づかずに何かの練習をしている。ドアを開ける時にキィィと音を立ててしまった。それを耳が良い彼女が聞き逃すはずなんてないはずなのだが。それだけ熱中しているということなのだろうか。
一心不乱に舞う彼女の姿が以前見たプログラムの時とデジャヴを感じて勇利はなんとなく胸の奥が苦しくなった。そんなにAを苦しめているのは一体何なんだろうか。
勇利が再び彼女を見つめていると耳に何かの機械をはめているのを目にした。周りを見ると音楽プレイヤーが近くにあった。どうやらワイヤレスのイヤホンをつけているようだ。道理で彼女が自分に気付かないはずだと思った。
本来、ブレードの氷を削る音が聞こえない、つまりスケート靴に異常があったときに真っ先に気付けなくなる。世界で戦っている彼女が知らないはずもないのだが……。彼女が一体何をしているのかわからない勇利は、いきなり声をかけて驚かせるなんてことも危ないと考えてしまい、ただ彼女を見つめて思考を巡らせることしか出来なかった。

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岡崎雪(プロフ) - うたプリ大好き?さん» 長々と放置気味で申し訳ございません。本日更新いたしましたので、もしよければご覧下さい。 (2017年7月27日 2時) (レス) id: 0853e273f8 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています(笑) (2017年3月16日 0時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
岡崎雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。主人公には伏線が多いため、設定ページを設けておりません。職業についてはStage3まで読み進めて頂けたらわかるかと思います。 (2016年12月28日 12時) (レス) id: 0853e273f8 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主の職業がよくわからないです (2016年12月28日 12時) (レス) id: 6025f4bd80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:岡崎雪 | 作成日時:2016年12月27日 0時

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