Spring Breeze (ページ36)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:165,056 hit

・ページ36

亮平side

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

施設長がチャイムを鳴らすと、中からﾄﾞﾀﾄﾞﾀと足音が聞こえた。

ｶﾞﾁｬｯ

康二「はーい。って、施設長！急にどうしたん！？」

中から俺と同じ歳ぐらいの男の子が出てきた。

施設長「康二くん！久しぶりだね！元気だった？」

康二「元気やけど。めっちゃ久しぶりやん。てか、急すぎん！？何も用意してへんで？来るなら連絡してや。」

施設長「ごめんごめん！驚かせたくてさ笑。」

康二「ほんま。驚いたわ笑。」

その子は関西弁で、明るくて元気の良さそうな子だった。

施設長が言ってた子はこの子なのかな。

2人が話し終わると、施設長の後ろにいる俺に気づいたのか

「あれ？その子は？」と言った。

施設長「あー！紹介するね。千葉の施設に住んでる阿部亮平くん。」

すると、その子は俺に手を差し出し、

康二「はじめまして。向井康二です。狭いけどゆっくりしてってや。」

「阿部亮平です。よろしくお願いします。」

俺は差し出された手を握った。

握手なんて久しぶりにした。

握った手はとても温かかった。