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康二side
俺は都市伝説とか、噂とか信じない。
人だってあんまり信じられないし。
だから、会った瞬間惹かれるなんてありえへん
そう思ってた。
翔太「"魂の番"か…。うーん。どうなんだろう。俺の周りにそうやって番になったって人がいないからな…。なんかあった?」
やっぱり俺の勘違いなんかな。
俺は、今日あったことを2人に打ち明けた。
翔太「へぇ〜。そんなことってあるんだね。滝沢商事のエリート社員か…。仕事熱心なすごい人なんだろうね。」
「そうですね。ほんとに…。」
翔太「それで、康二はどう思ったの?その人に会って。」
どう思った…か…。
惹かれたんかな…?
好きになったんかな…?
「俺は…。正直よくわかんないんです。自分の気持ちが。」
岩本さんと出会って、気になって
話して、ご飯に誘われて。
本当なら少しは気になっているかもしれない状況のはずなんやけど。
俺は好きっていう感情を忘れてしまったから。
涼太「俺はさ、"魂の番"信じてるよ。」
さっきまで黙って話を聞いていた舘さんが
口をひらいた。
「舘さんってそういうの信じないタイプかと思ってました。」
涼太「うん。そうだね、あんまり信じないかも。でもさ、人って何が起こるかわからないからね。ありえないって言い切るのは違うのかなって思って。」
翔太「たしかに、そうかもな…。」
涼太「でもね。」
舘さんが俺の目を真っ直ぐ見て言った。
涼太「例え運命でも、康二が本当に愛せる人を番にしなきゃダメだよ。運命だから…って流されがちだけど。番になるってそういうことだと思うから。」
"本当に愛せる人"
俺は急に不安になった。
人を愛すってなに…?
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作者名:曜 | 作成日時:2021年1月27日 21時