【鬼滅の刃】サンビタリアを君に【我妻善逸】

少年の花 ページ12

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｢あっカナヲちゃんっ！！｣



Aは？Aはどこ？
なんで一緒に居ないの？




どうしてカナヲちゃんから悲しい匂いがするの？

なんでこの黄色と赤の頭の男の人は隠に背負われているのに、Aは居ないの？




なんで？




｢カナヲちゃん、Aは？｣



｢…聞いて、ないの…？｣




何を？
何を聞くの？




｢Aさんは、鬼に胸を貫かれて死んだ｣




｢…は？……いくら、いくらカナヲちゃんでも、それは…そんな嘘、許さないよ…？｣


｢嘘じゃない。死んだなんて嘘つかない｣





そんなの、分かっていた。でも、信じられない。信じたくない。





｢っどうして！！！どうしてだよ！！！？
どうして俺からAを奪るんだよ！？！？｣



｢っ善逸！！やめろ！！カナヲに当たるんじゃない！！！！｣


｢炭治郎…炭治郎は何も感じないのか！！？｣



炭治郎が悲しんでいることは分かっている。
俺に対する怒りの音の他に、とんでもなく悲しい音がするのは聞こえている。



｢何も感じないわけないだろう！！！
でも、でも死んだ人は戻ってこないんだ！！
誰だってそうだ！！！！｣





それも、分かってる。
分かってるつもりだった。

でもAが死んだなんてそんな、そんなの。





｢…Aさんから、伝えて欲しいって、｣




｢なに？｣




｢サンビタリアを、君に。って。
この花を渡して欲しいって、そう…言った｣




花、？

小さな花。

向日葵が小さくなったみたいな花。




これを俺に？

どうして？




｢…この花、Aさんが昔から好きだった花ですよ。サンビタリア、和名で蛇の目菊。

花言葉は、私を見つめて、と言います｣




｢しのぶさん……Aは、どうしてそんな花言葉の花を俺に…｣


｢………今日、先程。Aさんが任務に出かける前、私に相談をしていかれました｣




しのぶさんから、Aが何を相談していたかを聞いた。




｢そんな、…そんな、俺、ただ、Aに…｣




｢嫉妬して欲しかった、そうでしょう？｣




コクリ、と頷く。




Aは、俺がほかの女の子を口説いたりしても特に何も言わなかった。

だから俺の事好きじゃないんじゃないかって思って、嫉妬させるために禰豆子ちゃんや女の子に必要以上にベタベタして、






…全部、俺のせいだ。




俺が、俺がAをしっかり見てあげなかったから。



俺がAを見つめてさえいれば、Aはそんな思いしなかったんだ。



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