【鬼滅の刃】サンビタリアを君に【我妻善逸】

朽ち果てた花 ページ11

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｢そんな、急に…俺は君に気持ちを伝えたばかりではないか…！｣



｢…私たちに明日や、次なんてありませんから。貴方が1番わかっているでしょう？｣




｢やだ、やだよAさんっ｣



｢カナヲさん、柱である以上仕方の無いことだわ｣






でも、もし叶うのなら。






｢善逸に、伝えてくださるかしら、カナヲさん｣



直接、言いたかった。

この醜い思いを貴方にぶつけてしまいたかった。

でもそれも、叶わないのよ？
貴方は最期まで私に何も与えてくれないの。




｢っはい！もちろん、もちろんです。
何でも仰ってください｣




痛む胸と喉を酷使して、なんとか伝えたいことを声に出す。






｢サンビタリアを君に、



そう、伝えて｣






私のことを見つめてくれていたのなら。




私はきっと、こんなに辛い思いをしなくて済んだのでしょうね。


こんな思いで死ぬことも、なかったのでしょう。





貴方が私を見つめてくださらなくても、

私は貴方を愛しています。






｢いつまでも、愛してる、善逸…｣






いま、貴方の声を聞けたのなら。




幸せだったのでしょうね。





だんだんとカナヲさんの声も聞こえなくなってくる。

煉獄さんの顔も、彼の削れてしまった頬も見えなくなってくる。





｢…サンビタリア、善逸に、渡して、くださる…？｣





何とか絞り出した声に、貴方への思いを乗せて。





いつかまた会いましょう。




そのときは、





どうか、





わたしをみつめてください。




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