【鬼滅の刃】サンビタリアを君に【我妻善逸】

蛇の目菊、とも言う ページ1

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｢あ、善い｣

｢ん禰豆子ちゃぁぁぁぁぁぁんっ！！！！｣



｢つ……｣



名前の最後の文字まで聞かずに貴方は彼女である私を前にほかの女の子の所へ行ってしまうのですね。


残された貴方の名前の最後の文字は空気に溶けて、誰にも聞かれることはありませんでした。




｢あら、Aさん。何してるんですか？｣


｢しのぶさん……何でもありませんよ｣



蟲柱の胡蝶しのぶさん。
彼女の呼吸はとても美しく、見る者を惹き付ける。



貴方の呼吸は目にも止まらぬ速さでしたね。
雷の呼吸、でしたか。



…貴方は一般隊士ですが、私はこれでも柱なんですよ。


もう少し、人として敬ってくれてもいいのではないでしょうか？
柱とはいえ、貴方と同期なんですよ。
貴方と同期ですけれど私、柱なんですよ。



｢…善逸くん関係ですね？｣

｢…いいえ、しのぶさん。本当に何でもないんです｣

｢そう仰るならそれでいいですけど…たまには気持ちを伝えることも大事じゃないですか？｣



気持ちを伝える。

…私の気持ちは貴方に届いているんでしょうか？私なりにたくさん伝えているつもりですが、貴方にはそれじゃあ通用しないんでしょうか。



｢ごめんなさい、しのぶさん。何でもありませんから。…失礼しますね｣

｢どうしても困ったら、相談に乗りますよ｣

｢えぇ、そうさせていただきます｣



ここにいたら貴方と禰豆子さんが話している声が聞こえてしまいますから、私は屋敷に戻りますね。

貴方は最近蝶屋敷から、私の夢屋敷に引っ越したではありませんか。
なのにどうして毎日のようにここに通っているんですか？



禰豆子さんに会うためですか？



彼女を差し置いて？私達恋仲ですよね？

接吻のひとつもした事がありませんよ？



禰豆子さんには、炭治郎くんに毎日、
禰豆子ちゃんに抱き着いていい！？手を握っていい！？

と、聞いているじゃないですか。


私とは目も合わせようとしないのに。




私、貴方と付き合わない方がよかったですか？

貴方が私に告白してくれたのに、どうして私の事を傷つけるような真似をするのでしょう。




私とは、遊びだったのですか？



もう、貴方が理解できません。






でも、それでも私は貴方が好きです。
愛しています。


私の想いは、一方通行なんですか？

貴方の矢印は、こちらにはもう向いていないんですか？


教えてください。


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