日常90 その後 ページ11
「ただいま。」
「あ、一郎お帰り。」
ラジオが終わった後、二郎と三郎は直接学校へ向かったため、一郎だけが帰宅する。
少女は大学までまだ時間があるらしく、ソファーでゆっくりしていた。
一郎もソファーに座りグデーっとする。少女は一度立ち上がり、一郎のコーラとあるものを持ってソファーに戻ってきた。
「一郎、はいコーラ。」
「ありがとな。」
少女は一郎の前にコーラを置き、隣に座る。
そして一郎を見て…
「はい、買ってきたよ。」
「？」
「マカロン！」
少女はマカロンを一郎に見せる。
一郎は一瞬何が起こったかわからずきょとんとするが、少女のしたいことを理解した瞬間顔を真っ赤に染めた。
「＜山田四郎＞ってAかよ！？」
「あったりー。」
まだ朝８時３０分ごろだ。マカロン屋さんなんて空いているはずがない。
なのに少女がマカロンを持っているという事は…
一郎は全てを理解していた。
てってれー、ありがちなセルフ効果音をつけながら、真顔でマカロンを差し出す少女。
一郎はまだ動揺が収まらず、狼狽えている。
一郎にとってあのコーナーは本当に恥ずかしいらしい。
「顔真っ赤じゃん。」
「誰のせいだよ！」
「私か。」
「はぁ〜。」
一郎は無邪気に喜ぶ少女を見ると、何も言えなくなる。
ため息を一つついて少女の持つ箱からマカロンを一つ取り、口に入れた。
「…うまいな。」
「美味しいよね〜。それ、レモン味！」
思ったよりマカロンが美味しく、一郎は目を見開く。
少女はその反応が新鮮で嬉しかった。
「あ、そうだ。もう一つ。」
「何だよ。」
少女は一郎の顔を見てにんまりと笑い
「私にも言ってー！」
「うっわ。」
一郎に突進した。
一郎はとっさの事に対応が出来ず、ソファーに倒れこんだ。
はたから見たら少女が押し倒したようにしか見えないだろう。
「言って！言って！」
「言えって何を…あ。」
一郎は最初は何のことかわからなかったが、一つ心当たりがあったようで固まる。
一郎の上では少女がキラキラした目で一郎を見つる。
まるでイヌの耳としっぽでも見えそうな雰囲気である。
「マジ？」
「マジ！」
少女の期待の眼差しに根負けし、一郎は一度深い溜息をついた後、少女の頭を撫でながら言った。
「A、愛してるぜ…。」
「ふ〜！流石兄貴！」
恥ずかしかったが、この嬉しそうな顔が見れるなら良いか。
一郎はそう思い、少女の頭を撫でまわすのだった。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (
レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆，哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服，喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年8月3日 20時
