日常54 一回戦 ページ20
「よぉ、左馬刻。」
「左馬刻さんだろーが。クソダボ。」
「今日はぶちのめしてやるよ。」
「えぇ、お好きにどうぞ。勝つのは我々です。」
「…悪いですけど、勝ちます。」
「若いソルジャーよ。かかってこい。」
険悪なムードで両チームがいがみ合う。
「バトルスタートです！」
試合開始の合図が。
まず最初にマイクを起動させたのは二郎。
銃兎に向かってディスラップを始める。
生命力と勢いがあるラップに少女は驚く。
生でラップを見たのはこれが初めてだからだ。力ずよく、荒々しい言葉つづり。
銃兎はダメージを受けつつも、立ち上がり二郎に反撃を始める。
銃兎のラップは大人ならではの落ち着きに隠れた闘志が見える。
確実に相手の急所を突きさすようなそのラップ。
三郎と理鶯もバトルを始める。
三郎は早口で言葉をつづっていく。その勢いは流石というべきだ。
力強さはまだ足りないが、勝利への執念が見えるラップだ。
それに対し、理鶯は重い一撃を与えるラップをする。
流石元軍人とでも言おう。力強く重い一撃を与えるラップだ。
そして一番注目すべきは、各チームのリーダー
一郎と左馬刻のバトルだろう。
一郎は流石のスキルである。
ラップのうまさ、ラップへの愛が人一倍感じられる。
しかし、相手へのディスもしっかりと忘れず、力強く確実にダメージを相手に与えるラップ。
左馬刻は流石ヤクザ。迫力が違う。
自分に向けられたものではない殺意ですら恐ろしい。
しっかりを相手の目をにらみつけ油断を見せないラップ。
それぞれにスタイルがあって、もはやどれが良いどれが悪いなど甲乙つけることはナンセンスだ。
これが男の戦い。
何も愚かではない。どこも変ではない。
自身の目的のために命を懸けて戦う、それのどこが愚かなのだろうか。
やはり、女尊男卑などばかばかしいのだと少女は思った。
だって彼らはこんなにもかっこいいのだから。
「勝ったのはMAD TRIGGER CREW〜〜！！」
最後に立っていたのは碧棺左馬刻だった。
両チームの実力に差はほとんどなかった。
「お疲れ様。」
Buter Bros!!!は負けてしまったが、全部を出し切った彼らにまずは賞賛の言葉を送りたいと思った。
運ばれていく三人。少女は最前列でそれを見て、形容しがたい感情が湧き出る。
何故か涙が溢れて止まらなかった。
少女は慌てて涙をぬぐい、彼らがその内訪れるであろう控室へと急いだ。
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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです！気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは！すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで！)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて！ (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません（笑）無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年7月14日 22時
