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ダイフクが来て、3日が経った。
その、小癪で凶暴なハムスターは、
翔くんの前では、弱くて頼りなくて可愛らしい小動物を演じ
俺の前では獣の野蛮さを、むき出しにした。
翔「ダイフク〜ただいまあ……あは、丸まってんの」
ﾀﾞｲﾌｸ「(お目目きゅるりーん)」
翔「ふふ(笑)」
そのキュートさがダイフクの演技とはつゆ知らず、翔くんは毎日
帰って来てからしばらくの間、ゲージの前から離れない。
智「翔くんごはん、」
翔「ちょっと待って〜」
智「冷めちゃうよ、さっきも呼んだでしょ」
翔「行くってば」
智「……」
翔くんは、ダイフクが来てから
ごはん、と呼んでも、なかなか来なくなった。
来ても、すぐにパパっと食べて、またあのモンスター…まちがえた、ハムスターのところに戻っていく。
モンスターは、あ、ハムスターは、翔くんがゲージの前に来た途端に
鼻をいじらしくヒクヒクさせたり
上目遣いをしてみたり
ぽよんとおしりをつき出したりして、翔くんのご機嫌メーターを爆上げしている。
翔「あー…マジでうちで飼いたい……」
まるでハムスターとふたりきりで生活してるみたい。
翔くんて、俺のこと見えてるのかな。
.
智「翔くん、ねえご飯、」
我慢できなくなって、ゲージの前にかがんだ翔くんの、白いシャツの裾を引っ張った。
翔「ちょ、」
智「食べないの？」
翔「食べる食べる、…離してよ、(笑)」
へらりと笑って振り向いた翔くんが、そう言うけど
もっと強く、ぎゅうっと握る。なんか、涙が出そう。
チラリとゲージの方を見たら、ダイフクが
前足をもぐもぐと噛みながら、こっちを見ていて
ﾀﾞｲﾌｸ「クスクス」
「ω」の口の、きゅっと上がった口角を
バカにしたように、歪めた。気がした。
智「…、あっち行こ、翔くん」
翔「なんだよ、どうしたの？」
智「ごはん冷めるってば」
翔「俺は後でゆっくり食べるよ。先、食べてれば？」
クスリと、ハムスターが笑う。
頭をがーんと殴られたみたいな衝撃が走った。
先、食べてれば？って。え？正気？
今まで、可能な限り、ずっと
一緒のタイミングで、いただきますをしてきたのに。
どんなに疲れてても、どちらかのお風呂の時間を待って、一緒に手を合わせていたのに。
びっくりして、一瞬、息が止まった。
翔くんは、「ん？」という顔をして、再びハムスターに向きなおる。
翔「ふふ、また走ったー」
.
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きんにく(プロフ) - mioさん» mioさん〜！いつもありがとうございます♪ああ、、恐縮の恐縮です。縮みすぎて消えそうです。mioさんのようにお話を汲み取ってくれる方がいて本当に嬉しいです！わたしのほうが勉強させてもらってます！ (2020年8月16日 11時) (
レス) id: 9b7dd5397c (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - キュンキュンしました(^^)勝手にすみません（汗）。瑞々しい言葉の数々、勉強させていただいております。パート3もご準備されてるとのこと、とっても楽しみに待っております^_^また読みに行かせてくださいm(_ _)m (2020年8月14日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - きんにくさん、素敵なお話の数々を読ませて頂いてありがとうございます。安上がりな幸せは、隣にはしょうくんがいるからで、さとしくんにとっては超高級品、なのかもしれなくて、そしてそれに気づきそうで気付きたくないしょうくん、みたいなふたりの有り様に、 (2020年8月14日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - むぎポンさん» むぎポンさん〜いつもありがとうございます♪おおお〜そんな風にリアクションいただけて光栄でしかありません、わたしもニヤニヤしながら書いてました（笑）自分的萌をお届けできるようがんばります♪ (2020年7月28日 12時) (レス) id: 33256d226c (このIDを非表示/違反報告)
むぎポン(プロフ) - きんにくさん 私 ホントに このお話好きです。電話でメモを読ませるやりとり 微笑ましくて笑っちゃって〜。でも 寂しいと聞いた後の大野くんの表情で 泣きそうになりましたよ。いつも やられます(笑) 本当に素敵！大好きです！ (2020年7月26日 1時) (レス) id: 91c89dfc77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんにく
| 作成日時：2020年7月9日 0時
