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かくして、自力で立てない酔っ払いのみが残された。
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翔「…お兄さん。起きてます？」
とりあえず、しゃがみ込んで聞いてみる。
智くんは仰向けに転がされたまま、目をうすく開けたり閉じたりをゆっくり繰り返していた。
濡れた前髪が額に貼り付いていて、うっすらと夏の汗のにおいと、ウイスキーのにおいが混ざっていた。
智「……きてる…」
翔「起きてる？」
智「うん……ん"、ん」
智くん、2，3度そうやって喉を鳴らす。
そして深く息を吸い込んで、はぁっと短いため息をついた。エネルギーを放出した若葉みたいな、気持ち良さそうなため息だった。
翔「…遊び疲れたみたい」
智「そうみたい…」
翔「ふ……認めた(笑)動ける？」
聞いたら、智くんは試しに腕を持ち上げる。
持ち上げて、宙に浮いた自分の手のひらをじいっと見て、無理だと言った。
----『いやー久しぶりにいいもの見たな。手足が千切れるんじゃないかと思ったよ、狂ったように踊ったもんで』
電話ごしにそう言っていた、ニノの楽しそうな声を思い出す。
翔「狂ったように踊ったらしいね」
智「…背中が痛い。ケツも痛い。足も」
翔「元気そうで何より」
智「元気じゃない…疲れた、汗でべたべたする…お風呂入ってもいい？」
翔「ダメに決まってるじゃん。そんなに飲んでるのに」
智「そんなに飲んでないよお腹空いてたから余計に回っただけ」
翔「じゃあ尚更だめ。しかもひとりで動けないじゃん」
智「翔くんが抱っこすればいいじゃん」
翔「まったく何を言ってるんだか」
呆れて肩を竦めると、智くんはブーと言って(本当に「ブー」と言った)、重そうな身体を捩ってうつ伏せになり、
攻撃を喰らった戦士が立て直すみたいにぐぐぐと身体を起こして、よいしょと床にあぐらをかいた。
翔「あはは(笑)ボロボロすぎ」
智「笑うなよ。俺はもう限界なんだ」
ミネラルウォーターを手渡してあげたら、ごくごくと美味しそうに飲んで、ありがとうと言った。
なんとなくニノに似たしぐさだった。
翔「それ飲んでさ、落ち着いたらやっぱりシャワー浴びてきて良いよ」
智「え？いいの？」
翔「うん」
智「なんで？あまりにもくさい？」
翔「違うよ(笑)思ったより大丈夫だなって。筋肉痛でしょ？動けないの」
智「そのとおり！運動のタマモノ！」
翔「賜物〜」
智「えへへー嬉しいなー翔くんとお風呂」
翔「一緒には入りませんよ！？」
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きんにく(プロフ) - 那智さん» 那智さん！わ〜〜、架空の映画です(笑)架空すぎて好き勝手に酷評しすぎました。えへへ。呑気な話ですが覗いてくれて嬉しかったです。ありがとうございます！♩ (6月10日 13時) (
レス) id: ed3941cf39 (このIDを非表示/違反報告)
那智(プロフ) - 『エリーとスミスが甘いので』を見たくなって検索してみた。そんなに酷い映画に何故泣ける？って思って。そんで、くだんねーって言いたかったなー。でも好き。 (6月10日 9時) (レス) @page41 id: f47ac2cfea (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - きよさん» きよさん！ありがとうございます。智くんが珍しく本を読んでるハナシを書きたいなぁと思ったらこんな大事になってしまいました😂ここのふたりは優しくて私も好きです。これからものんびり続けていくので飽きるまでどうか宜しくお願いします♩ (5月21日 14時) (レス) id: 7cf4abab0d (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - きんにくさん、お話しありがとうございます。感受性の豊かな智くんには辛い本ですよね。その本心をよみまちがえたと悔やむ翔くん。翔くんの機嫌を治そうと辛い本の話題をしようとする智くん。やっぱり素敵な二人だなと改めて思いました。これからも楽しみにしています。 (5月17日 18時) (レス) @page39 id: dcaa28dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - oneidnekdndojejさん» えー！わーおもしろかったですか！？ヤッターーありがとうございます！とても嬉しいです🤩拙いお話ですが楽しんでいただけて光栄です。いつもあたたかいお言葉に勇気づけられて書き続ける原動力になってます。こちらこそありがとうございます！ (5月14日 13時) (レス) id: 7cf4abab0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんにく
| 作成日時：2021年12月31日 10時
