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電話口は、とてつもない喧騒…というか、かなりの音量で音楽がかかっていた。
低音の強い、激しいロックみたいな音楽だった。
ﾆﾉ〈ニノって呼んでくれる？翔ちゃん〉
電話の向こうはだいぶ酔っぱらっていて、智くんの所在を聞こうとすると、ニノと呼べ、そして敬語を取っ払わないと要望に応えないよアハハハ、なんて言うので
腹が立って
翔「分かった分かった分かった。じゃあニノ、そのあり得ない音量で音楽が流れてる場所は何処？そして
早口でそう聞いた。
電話の向こうは相当うるさいみたいで、ニノは何度も〈え？〉と聞き返してきた。
なので上と同じ内容を、何度も何度も言い直さないといけなかった。
そこはどこで、うちの、智くんは、元気で、そこにいるのか？
ﾆﾉ〈え？どっちの智くんって？……まあそこはいいや、〉
嫌なヤツである。
ﾆﾉ〈うん居るよココに。でももうさ、くたびれちゃってダメだー、酒も飲んでるし〉
ドラムのような音も聞こえる。
音楽に詳しくないので何か分からないけど、とにかく低いビートを刻むみたいな音がうるさくていけない。
智くんはそんな場所で、酒なんて飲んで何をしているんだろう？
絵を仕上げるまでのここ1週間は、ほぼ寝ないで描き通しだったんだぞ。
ﾆﾉ〈いやー久しぶりにいいもの見たな。手足が千切れるんじゃないかと思ったよ、狂ったように踊ったもんで〉
翔「なに、今日あなたのライブだったんですか？」
ニノ、と訂正される。
ﾆﾉ〈にーの。でしょー？翔ちゃんっ〉
なんだこいつ。酔ってやがる。
イライラしながら「ニノのライブだったわけ？」と聞き直す。くそ、時間がかかる。
ﾆﾉ〈俺じゃないよ、俺ぁ踊りなんてもうしばらくやんないからね、この人、この人。…まあとにかく今から出るから。ソッチ送ってくし、近くだから。じゃ〉
翔「は？え…あの」
そして一方的に電話を切られた。
翔「…はぁ……なんかいつも一方的だなあの人…」
行き場のない思いを独り言に託しながら、俺も絵なんか描けたら、この行き場のない思いをちっさなキャンバスに写すんだろうかしら、と憂いながら
なんの気なしに、智くんの描いた絵を見ていると
ふいに、気付いてしまった。
翔「……え…、まさか…」
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きんにく(プロフ) - 那智さん» 那智さん！わ〜〜、架空の映画です(笑)架空すぎて好き勝手に酷評しすぎました。えへへ。呑気な話ですが覗いてくれて嬉しかったです。ありがとうございます！♩ (6月10日 13時) (
レス) id: ed3941cf39 (このIDを非表示/違反報告)
那智(プロフ) - 『エリーとスミスが甘いので』を見たくなって検索してみた。そんなに酷い映画に何故泣ける？って思って。そんで、くだんねーって言いたかったなー。でも好き。 (6月10日 9時) (レス) @page41 id: f47ac2cfea (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - きよさん» きよさん！ありがとうございます。智くんが珍しく本を読んでるハナシを書きたいなぁと思ったらこんな大事になってしまいました😂ここのふたりは優しくて私も好きです。これからものんびり続けていくので飽きるまでどうか宜しくお願いします♩ (5月21日 14時) (レス) id: 7cf4abab0d (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - きんにくさん、お話しありがとうございます。感受性の豊かな智くんには辛い本ですよね。その本心をよみまちがえたと悔やむ翔くん。翔くんの機嫌を治そうと辛い本の話題をしようとする智くん。やっぱり素敵な二人だなと改めて思いました。これからも楽しみにしています。 (5月17日 18時) (レス) @page39 id: dcaa28dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - oneidnekdndojejさん» えー！わーおもしろかったですか！？ヤッターーありがとうございます！とても嬉しいです🤩拙いお話ですが楽しんでいただけて光栄です。いつもあたたかいお言葉に勇気づけられて書き続ける原動力になってます。こちらこそありがとうございます！ (5月14日 13時) (レス) id: 7cf4abab0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんにく
| 作成日時：2021年12月31日 10時
