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翔「体育の授業でね？あれサッカーだったかなあ…どうやって判定してたか忘れたけど、その日一番ダメだった奴が罰ゲームを受けんの。一番得点できなかったお前、罰ゲームだ！みたいな感じで。
その罰ゲームっていうのが、教頭のバイクに乗ってね？勝手にだよ？勝手に教頭のバイクに乗って、近所のスーパーまで行って、仲間ぶんのジュース買ってくるって言う…、もちろんすぐバレて怒られるんだけどね(笑)
あとはなんだろ、放課後なんて自由だったからね…言えないような遊び方も…それで色んな人に怒られたねー…親も泣かせたし」
ずいぶん好き勝手にやっていた頃を思った。
今こうして言い並べると、本当に馬鹿な子どもの迷惑な遊びで、でもあの頃の自分たちにとっては、必要不可欠なことだったようにも思える。
そこそこ自由だったくせに、いつも何かに押さえつけられているような気がしていたものだ。
そうやって耳に穴を開けた。
それだけの行為で、そこそこ満たされていた。窮屈だった。それでも幸せではあった。どっちなんだろう。分からない。自分が何を考えていたのか。
そこに思考があったのかすら分からない。具体的なことは何も分からない。
渦中に居た、という感じが、すごくする。
青春と言うのは、程度の差こそあれ、そんなものなのかもしれない。
翔「俺そんなに優秀じゃなかったんだ。でもなぜか、ちょっと学年で目立っててね。
ふざけて生徒会長に立候補して、全校集会で演説したら、悪ノリでうっとおしいけどけっこう盛り上がるんだよ。担任なんかは頭抱えながら、でもゲンコツ一発で笑って許してくれるんだ。仕方ねえ奴だな、みたいにね。
…まあ、大学受験で、本気で勉強しろってなったら、みんな必死で机に向かってたけどね。
小心者なんだよ(笑)将来の不安には勝てないんだ。やんちゃもしたけど、『やんちゃもしたけど』って大人になってから振り返る自分の姿も、ちゃんと見えてたんだ。
くだらないでしょ？」
量販店で買った安いピアッサーで穴を開けるとき、彼女の手が汗ばんでいたことだけ、ぼんやりと思い出せる。
かちん、という不確かな音と、針の痛みに俺が顔を顰めていた、あの一瞬
同じころ、智くんは、どこへ行き着くかも分からない自分の絵、筆先とキャンバスを、死ぬ思いで睨んでいたかもしれない。
そんなことを考える。
そうすると、左耳に開けた穴のことが、余計にくだらなく思えるのだった。
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きんにく(プロフ) - 山田さん» (続き)気を遣わせてゴメンナサイ。これからも楽しく読んで頂けたらと思います。いつも本当にありがとうございます。ピアニッシモにくださったコメントから、ずっと元気づけられてます。 (2021年10月5日 23時) (
レス) id: 39aa1ff197 (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - 山田さん» (続き)書くこと自体は、私にとってとても楽しいことなのです。長く書き続けられたらいいなあとは、心の奥底で思っています(笑)それに、このような言葉を頂くと、なんにも気にせず長く書いていようかなあと思います。単純なのです。とにかくありがとうございますと、 (2021年10月5日 23時) (レス) id: 39aa1ff197 (このIDを非表示/違反報告)
きんにく(プロフ) - 山田さん» 山田さん、わざわざこちらにすみません！あっちのコメ欄が開いてなかったからでしょうか（汗）しかもネガティブなことを言って心配させたようで、重ね重ねすみません。それと、嬉しいお言葉ありがとうございます。しばらくは書き続けます！ (2021年10月5日 23時) (レス) id: 39aa1ff197 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - きんにくさんの無理のないお気持ちで、きんにくさんの思う彼らをもし拝見することができたならとても嬉しいです。乱文申し訳ございません。ずっと大好きです。 (2021年10月4日 13時) (レス) id: 7341d1decc (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - きんにくさん コメントこちらにて失礼します。きんにくさんの書かれる作品が大好きで、休止した後も何度も寂しさを救ってもらいました。色々と環境が変わる中で簡単に続けてくださいなどと言える立場ではないですが、 (2021年10月4日 13時) (レス) id: 7341d1decc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんにく
| 作成日時：2021年3月3日 23時
