甘酸っぱい ページ6
＊
「A ちゃん…。大丈夫？」
しばらく黙って車を運転していたジョンデさんが私に話し掛けた。
「はい…。心配かけちゃってすみません。もう大丈夫です。」
ジョンデさんのほうを向いてそう言うと
「そっか…。それならいいんだけど…。
セフンとケンカしたっていうからさ、ちょっと気になっちゃって…。」
って不安げな顔でそう言った。
そんな顔をさせたくないなって、ジョンデさんにはいつも笑顔でいて欲しいなって……。
そう思う自分がやっぱりジョンデさんに気持ちが向いているんだと改めて感じた。
「セフンに話したんです…。もうこんな関係やめるって。
他に……セフンの他に好きな人ができたからって…。」
少し恥ずかしくて自分の手元を見てそう話したら、少しの沈黙のあとジョンデさんが私のその手をそっと握った。
ジョンデさんを見ると運転したまま真っ直ぐ前を見ていて、
「A ちゃん……。その話に俺は…期待してもいいのかな…。」
と私を見ずに言った後、さらにギュッと強く指をからめた。
彼の口ぶりから緊張が伝わってくる。
私は握られた手をもう片方の手で包みかえしてジョンデさんを見つめた。
「期待……してください。
私……ジョンデさんのこと……好きになりました…。
だからお試しで付き合うのは終わりにしたいです。
ちゃんと…。
ちゃんと正式に私とお付き合いしてください。」
ものすごく恥ずかしくて顔から火が出そうだったけど、今の私の気持ちをしっかり伝えたくて震える声で伝えた。
ジョンデさんはフゥーッと大きく息を吐いた後、少しはにかんで「ちょこっと待って！」と言って路肩に車を停めた。
車を停めるために一度離した手を今度は両手でつかんで私に向き直ると、ものすごく優しい顔で私を見つめ、
「ありがとう。俺、A ちやんのこと大切にするよ。
だから俺からもう一度言わせて。
A ちやん、俺の彼女になってもらえませんか？」
そう言ってくれたんだ。
答えはわかっているだろうけど真剣な顔つきで言ってくれているから、私もしっかりとジョンデさんの目を見て応えた。
「はい…。宜しくお願いします。」
ジョンデさんはエヘッと笑うと「やった！」って小さく呟いてから、
「こちらこそ。宜しくお願いします(笑)」
って頭を下げた。
穏やかで甘酸っぱい雰囲気の中、お互いいつまでも見つめ合ってたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんなつ(プロフ) - 瑠花さん» 瑠花さん、コメントありがとうございます。続き楽しみにしていただいてるみたいで…。嬉しいです。でもお話の内容は決まってるんですが文章をどう表現して書けばいいか悩んで模索中なので少しだけ待ってて下さいね。頑張って更新していけるようにしますから！こまうぉ〜 (2018年11月17日 11時) (
レス) id: af10dde10c (このIDを非表示/違反報告)
瑠花(プロフ) - ジョンデ とチャニョル にきゅんきゅんしっぱなしです笑 素敵なお話ありがとうございます！続きを楽しみにしてます！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: eee282147c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のんなつ | 作成日時：2018年10月22日 1時
