前日 ページ4
--寂しい時に力になってあげれる男に
なりたいんだ
その言葉を鵜呑みにするくらい
私の心に悠仁が住み着いてしまっている気がする。
ごはんを
作りながら
後片づけをしながら
厚ちゃんを目で追うけど
この頃はゲームばかりだ。
----明日なんだけど
入口がいつもと違うらしくて
裏なんだって。
わかる??俺がよく停めてる
駐車場の道なんだけど。
駐車場??
[自販機が並んでる並びの??]
---あ、そうそう。
そこから入れる扉あるから。
18時からだからね。
そうなんだぁ・・
あそこにも入り口があったんだぁ・・。
悠仁とメールしながら
横になっていると
いつもより早い時間なのに
厚ちゃんが寝室にやってきた。
わっ・・
咄嗟に携帯を握りしめて布団を被った。
「A寝た?」
「ううん、まだ起きてる・・
厚治ももう寝るの?
明日、早い?」
私の言葉に
「や、そういうわけじゃないんだけど・・」
と呟いた。
「そっか・・」
なんだろ、この沈黙・・。
大好きな厚ちゃんなのに
どこか緊張しているような感覚で
息が詰まりそうになる。
「明日・・」
行くなって・・言ってくれるのかな。
「・・うん」
私は期待しすぎてたのかもしれない。
だって
厚ちゃんは
私のことを好きだから・・
私のことを大切に思ってくれてるから・・って。
「・・楽しんでこいよ」
その言葉を
どう受け取ったらいいの?
予想だにしてなかった言葉に
布団を被るしか選択肢がなかったのだった。
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作者名:miu | 作成日時:2019年11月4日 14時